#北雪酒造 #日本酒 #遠心分離
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第13弾「遠心分離酒って何ですか?」|【R20ここだけの話】気になる日本酒、語らせて

【R20ここだけの話】~気になる日本酒、語らせて~

2022.12.04

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知る人ぞ知る新潟の銘酒について、元日本酒翻訳家が独断で選び、酒蔵の方を巻き込んで語るコーナー。遠心分離機でお酒を抽出?布を通さない搾り方でどんな味になるの?北雪酒造さんにお聞きしました!

遠心分離機が酒蔵に…?

アルビレックスJ1昇格&J2優勝のWお祝いの日
北雪酒造さんからこんなお酒を飲ませていただきました。

金星と遠心分離仕込105号ハ13

え、遠心分離酒?!
科学の実験で使われそうなあの機械が酒蔵に?
どんな味に変わるんだろう?

遠心分離機にかけた後のタンク。この上澄み部分を頂きました

まず、左の「北雪 金星」からいただきます!
■冷:15~20℃程
・すっきり辛口
切れが良くて後味も爽やか
・香りは洋梨系で優しいバナナの香りもする!

■熱燗:45~50℃
華やかな辛口
・飲みごたえがあるのに軽やかな飲みごこち
・燗冷ましになると角が取れて滑らかな質感を味わえます。

では、右の、「遠心分離酒」いただきます!
華やかでフルーティーな淡麗辛口
・色味は「北雪 金星」と比べてほんのり黄色みがある
・口当たりがより滑らかに感じる
雑味がさらに少なく、甘みを感じる

とくに香りは金平糖のような甘みを感じるフローラル系でずっと嗅いでいたい香り。
同じお酒なのに、遠心分離するだけでこんなに印象違うんだ…。

北雪酒造の立石さん:見に来ますか?
ぬるこ:*11月こそはぜひ!お願いします!

*夏頃にお話しいただいていたのに雨女のせいでタイミングが合わず、11月になってしまいました

いざ、北雪酒造へ

今回は以下の条件で訪問しました。
・おとな単身(車の利用なし)
・公共交通機関での移動
・新潟港ー両津港のカーフェリー2等自由席

北雪酒造があるのは南部に位置する赤泊地区

赤泊航路は2019年に廃線になったため、
佐渡汽船両津港からは路線バスで移動しました。

両津港→佐和田バスステーション(BS)→浦津
のルートでお邪魔しました。
長距離の移動なので「バス乗り放題1Dayパス」がお得でした!
※価格は11月末日現在

大人1500円で乗り放題なので、時間が許せば他の地域にも遊びに行ける

赤泊方面はバスの本数に限りがあるので時間は要チェックです

往復チケットは7日間有効。価格は11月末時点のものです。

個人の感想ですが、
道中の景色を楽しむのであれば、バスでの移動おすすめです。
毎度、運転中に写真が撮れないツアーになるのですが、
景勝地をいっぱい目に焼き付けてこられたのが大メリットでした♪
ですが、短期間にたくさんめぐるのであれば、レンタカーを借りるのが良いかもしれないです。

遠心分離酒とはどんなお酒ですか?

今回は、北雪酒造の杜氏小倉さんにお聞きしました。

ぬるこ:本日は宜しくお願い致します。 遠心分離酒シリーズは純米大吟醸クラスのお酒しかないと思っていたので、普通酒の金星が遠心分離酒になっているのが意外でした。

小倉さん:金星は地元で愛されている普段使いのお酒なので、遠心分離機にかけたらお米の美味しいところがさらに引き立つのではないかと思い実験してみました。遠心力で雑味の部分が沈殿するので、米の味わいを残しつつも吟醸酒のような繊細さがでてきました

ぬるこ:元の金星も美味しいのですが、香りが甘く穏やかなお酒に変わったように感じました。
遠心分離機にかけるお酒は一般的な搾り方と比べてどんなところが変わるのでしょうか。

小倉さん:お酒本来の味が均一に抽出できるところだと思います。
一般的な上槽(清酒と酒粕に分ける工程)では、布を使って搾るので、最初(あらばしり)と、中間(中取り)と、最後(責め)で味の具合が異なってしまいます。

ぬるこ:「あらばしり」や「中取り」って搾られて出てきた清酒がその段階のものか表す名称だったんですね!

小倉さん:そうです。一方で遠心分離機を使うと、遠心力だけで重い澱(酒粕)の部分と軽い上澄み(清酒)部分に分けられるので、圧搾による味の変化がなく、安定しています。

実は、遠心分離酒の方が色が濃い!

ぬるこ:そうなんですね。意外ですが、色味を比べると遠心分離をした金星の方が黄色がかって見えますね

小倉さん:通常ですと味の雑味を抑えるために炭でろ過を行うのですが、遠心分離酒は澱引きされた上澄みを瓶詰めしているので、雑味を抑えて清酒特有の黄金色が生かされます

ぬるこ:新酒の「純米生原酒」と並べると「金星<遠心分離<生原酒」の順番で黄色みがでますね。採れたての生の色、ワイングラスに入れると本当に白ワインみたいです。

分かりにくいですが、右に向かうほど色が濃くなっています

小倉さん:生原酒のアルコール度数は17℃と高めですが、爽やかなバナナ香まろやかな飲み口、後味の程よく残るキレ味で飲みやすくなっていると思います。

ぬるこ:新酒のシュワシュワ感と相まって、実に飲みやすくて恐ろしいです(笑)

「お米の具合」がお酒の味を左右する

ぬるこ:新酒を造られる時期で特に大変なことは何でしょうか。

小倉さん:ずばり「米の具合」です。新酒に限らずですが、例えば同じ新潟県産の五百万石でも、産地によって性質が異なるので、固いお米に合わせて浸漬(しんせき)しようか、柔らかくなったら発酵の段階でどうやって調整しようかなど、お米が関わる工程は特に慎重になります

ぬるこ:お米が柔らかい環境=酵母のエサが多い環境になるので、発酵が進んで酸味もアルコール度数も高くなりやすい、ということでしょうか。

小倉さん:場合によっては、アルコール度数の調整で加水することもあるのですが、そこで味が変わってしまう可能性もあります。新酒は「今年の北雪酒造の酒第一号」になるので特に緊張しますね

ぬるこ:今年の北雪ヌーボー、お米に想いを馳せながらいただきます。

思い入れのあるお酒は「○○で造るお酒」

ぬるこ:「金星」「北雪」「遠心分離シリーズ」や「NOBU」など、様々なシリーズがありますよね。特に思い入れがあるお酒はありますか?

小倉さん:ガラスタンクで醸す限定酒ですね。

ぬるこ:え、ガラスのタンク

※許可のもと撮影しております

小倉さん:コラボ企画などの少量製造のお酒も受注していて、そちらはガラスのタンクで造っています。通常のタンクの10分の1の規模ですが、冷却設備や保温など手作業で行うので、こまめに貯蔵室温と醪の温度管理をするなど注意を払う項目が多いです。その分、発酵の具合が近くで見えるのでひとしおの愛着がわきます。

※許可のもと撮影しております

手を伸ばすと届きそうな距離で発酵の様子が見られると、小さな変化も愛おしく感じますね。

本日はお時間いただきありがとうございました。
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※今回ご紹介した「遠心分離 金星」について、店舗販売ではなく、販売会やイベントで購入できるようです
販売会のお知らせは北雪酒造の公式SNSをご確認ください。
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ぬる燗好きのぬるこ
皆さま、言霊って信じますか? 私は文芸部の友人から「温ちゃんの『温』って、ぬる燗の『ぬる』なんだね。明日から『ぬるこ』って呼ぶね!」 と言われ、(20歳超えてから)日本酒が好きになり、好きが高じて、気づいたら商社で日本酒の翻訳を担当していました。 新潟の日本酒について語り、皆さまに「このお酒飲んでみたい」と思われるような記事をお届けします。