『今日から、君の職業は、正式に”役者”だよ』
そう言われた、あの日から・・・
あの”只者ではない演出家”は、
カサハラ青年にとって”社長”となった。
そう、ついにカサハラ青年は念願の
”芸能事務所”に所属することが出来たのだ。
その後、
”プロフィール用”の写真を撮影し、
事務所からも色々な
オーディションにプロフィールを送ってもらい、
”人生初めての撮影”も無事に終了。
そして、幼馴染の役者
”タカモン”からも素晴らしい刺激を受けることができた。
するとそんなさなか・・
事務所の社長から役者としての幅を広げるよう、
”リアル演技”と対極にある”究極の表現演技”を身に着けるため、
日本中の小学校を旅回りする劇団の
オーディションに挑戦し、
見事に?主役の座を勝ち取ったのだった。
スラっとした男性(スラ男)
「カサハラくんを”主役”にすることを・・・私から、団長にお願いしました」
カサハラ
「・・・え?!」
スラっとした男性からの一言に驚きを隠せなかった。
カサハラ
「(ど、どうして僕を・・?)」
そう問おうかと思ったけれど・・
なんとなく、スラっとした男性は、
その理由を教えてくれなそうな気がしたので・・・
とりえあえず、聞くことはやめることにした。
その代わりに僕は、
”劇中歌のCD”を借りれないかとお願いした。
その理由はもちろん・・・
”楽譜が読めない”からだ。
スラっとした男性は
すぐに察したのだろう。
スラ男
「3日後の稽古で使うので、その時に返してくださね」
とだけ言い、僕にCDを手渡してくれた。
そして・・・
電車で1時間半かけて自宅に戻り・・
早速、
劇中歌のメロディを頭に叩き込む作業に移ろうとした。