カサハラ
「・・・え!?」
う、嘘だろ!?あのオーディションの内容で・・
一体何が評価されたというのだ!?
あ・・・
もしかしたら・・・
カサハラ
「もしかしたら、あのオーディションで僕が披露した”干拓音頭”が合格に繋がったのかもしれません・・」
社長
「どういうことだい?」
カサハラ
「なんというか、あの日は僕、凄く”干拓音頭”に気持ちが入っていたというか・・」
社長
「うん」
カサハラ
「求められていないのに、”干拓音頭”や、故郷の旧紫雲寺町の歴史なんかも説明して・・」
社長
「うんうん」
カサハラ
「そういう、僕の奥底から湧き上がってきた”干拓音頭”への熱い想いが・・審査員に伝わったのかもしれません・・・」
社長
「いや、そうじゃないみたい」
カサハラ
「え?」
社長
「評価のポイントは、”演技審査”だそうだ」
カサハラ
「え・・演技ですか?!」
え?あんな目も当てられないような
僕の演技のどこに・・!?
社長
「なんか、光るものを感じたみたいだよ」
カサハラ
「ひ、光るものですか・・じゃあ、干拓音頭に関しては・・」
社長
「特に何も言ってなかったよ」
カサハラ
「そ、そうですか・・」
な、なんだろう・・
この釈然としない気持ちは・・・
社長
「何だい?合格できて嬉しくないのかい?」
カサハラ
「あ、いえ・・なんか全てが予想と反していたので・・まだ実感が・・・」
社長
「あ、稽古は3日後から開始らしいから」
カサハラ
「え、3日後ですか!?」
社長
「あとで、台本のデータ送るから、ちゃんと読み込んで参加するんだよ」
カサハラ
「・・はい!!わかりました!」
ダメだ・・
全てが急展開すぎて・・・
全然実感がわかない・・
いつも僕の人生は
予想の”逆”を進んで行き
気持ちばかりが必死に
“今に”追いつこうと忙しなくなる。
とりあえずは、3日後の稽古初日に向けて
送ってもらったしっかり台本を読み込むこと。
一体どんな役なんだろう・・・
出番は多いのかな・・・
やっぱり、歌って踊るのかな・・・
期待と不安が入り混じる。
電話はまだ続く。
社長
「あ、そうだ。先に伝えておくとね」
カサハラ
「はい・・なんでしょう?」
何か・・・嫌な予感が走る。
社長
「君、”主役”らしいよ」
カサハラ
「・・・しゅ、主役!?」
もはや、逆どころではない展開となってしまった。
つづく・・・
いやぁ~、こんな感じで旅劇団での1年間にわたる“究極の表現演技”修行がスタートすることになったのです。笑
次回!!
訳の分からないまま、旅劇団のオーディションに合格、そして“主役”という大役を担うことになってしまったカサハラ青年。稽古初日までたった3日しかない中で、台本を開いた瞬間の衝撃、そして、また“クセの強い人物”との遭遇を果たすこととなるのであった・・・
という訳で・・・
2024年のコラムも今日から再スタート☆
ぜひ、今年もよろしくお願いいたします(^O^)/
カサハラケント
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