第21弾「春を知らせるツバメのお酒」|【R20ここだけの話】気になる日本酒、語らせて
【R20ここだけの話】~気になる日本酒、語らせて~
2023.03.26
知る人ぞ知る新潟の銘酒について、日本酒翻訳家が独断で選び、語るコーナー。春の訪れを知らせる鳥、ツバメ。かわいいツバメのラベルに一目ぼれしちゃいました。
春を知らせるツバメのラベル
春分の日を迎え、暖かい日も増え、
気づけばもうすぐ4月ですね。
田んぼに群がっていた白鳥と入れ違いに
あの春の鳥がやってきますね!
日本で昔から親しまれてきた暦のひとつ「七十二候」にも、
4月の初頭に「玄至来(つばめきたる)」という暦が。
ツバメの来訪は昔から春の暦になっていたのですね。
そんな季節の移ろいを醸したお酒がこちら。
「つばめだ!おしゃれ!」
とジャケ買いした後から気づいたのですが、『七十二候シリーズ』
お酒の名前も「吟醸原酒 ツバメキタル」ですね!
『この頃になると冬にしぼられたお酒の味わいがより一層まろやかになります。』
まろやかで軽やかな春のお酒
まずは常温(17℃くらい)で
瓶のふたを開けた時に、
青りんごのような、爽やかですっきりとした甘い香りが立ちます。
ブドウをかじっているかのような、穏やかな甘さと奥行きのある味。
口に入れると香りが軽やかに広がって、後味はすっきりきれいなキレ。
何より、アルコール度数17度もある原酒であることを忘れてしまうくらい、
角がなく、まろやかな飲みごこち。
程よい酸味と香りの爽やかさも相まって、軽やかな春酒に。
これ飲みながらお花見したい。
今回飲んだ温度帯(17℃くらい)では酸味と旨みのバランスが穏やか。
でしたが、これは原酒なので「熱燗」にしても「ロック」にしても美味しいのでは?
と思い、やってみました。
熱燗(50℃くらい)
かなり辛くなります。
そして、燗冷ましでは酸が強く出てしまい、
本来の穏やかなバランスが刺激的に。
香りはリンゴジュースのような甘酸っぱい系に。
好みがわかれるところですが、
私は本来の穏やかな味わいの方が好きでした。
ロック(5℃くらい)
口に入れた時の香りの広がり方がとても華やか。
時間が経つとアルコール度数が薄くなりますが、
味の影響はほぼないです。
むしろ甘さが引き立つような気がします。
ロック酒。これならじっくり飲むのにもよさそう。
皆さま、言霊って信じますか?
私は文芸部の友人から「温ちゃんの『温』って、ぬる燗の『ぬる』なんだね。明日から『ぬるこ』って呼ぶね!」
と言われ、(20歳超えてから)日本酒が好きになり、好きが高じて、気づいたら商社で日本酒の翻訳を担当していました。
新潟の日本酒について語り、皆さまに「このお酒飲んでみたい」と思われるような記事をお届けします。