【春に向け冬眠中の対策は?】市街地でも目撃されるようになったクマ…春に向けた対策は《新潟》
去年、大量に出没したクマについてです。市街地にも現れるようになったクマ。春に向けてどのような対策が必要になるのでしょうか。
2025年11月、1頭のクマが糸魚川市で撮影されました。
冬眠前に栄養を蓄えているのでしょうか。
暗闇の中でバリバリと音を立てて固いクルミを食べていました。
2025年は県内で大量にクマが出没。その多くがいま冬眠に入り目撃件数も減ってきています。
新潟市内で開かれた「春に向けたクマ対策講座」
こうした中、2月22日、新潟市内でクマの対策講座が開かれました。
講師をつとめたのはクマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授です。
<酪農学園大学 佐藤喜和教授の講演>
「おそらく多くのみなさんが関心があるのは、森の中ではわかったよと、クマ撃退スプレーも持っていくよとだけど今問題なのはまちの中じゃないか。建物の中とか車の中、自分の車でなくてもだれの車でもいいですから誰かいたらすぐ乗せてもらう」
クマの生態から市街地へ出没する理由、出会った場合に、どう対処したらいいかなどを講演しました。
<酪農学園大学 佐藤喜和教授の講演>
「一度ゴミを食べるともうクマは離れられない。山の中にあるどんな食べ物よりも甘かったり、やわらかかったり、栄養価が高かったり」
佐藤教授はクマが冬眠しているいまの時期に対策を進めてほしいと呼びかけています。
【酪農学園大学 佐藤喜和教授】
「いまクマたちが冬眠している時期ですけれども、次年度に向けた準備をするにはちょうどいい時期だと思います。まずは市街地とか人の生活圏にクマがでたときに、確実に地域住民の方たちの安全を守って、確実に駆除するという体制をまずはしっかり整えるということだと思う」
県内で続出するクマ被害…けが人は17人も
今シーズン県内ではクマによるけが人が17人にのぼり、出没情報は3500件を超えました。
去年6月には阿賀野市の住宅街にクマが出没……
【近所の人】
「この辺で出るんだ、本当に出るんだって感じですね。怖いですね。子供もいるし」
10月には阿賀野市の倉庫に子グマとみられるクマが……通報からおよそ5時間後、麻酔銃による緊急銃猟で捕獲されました。
さらに新発田市の用水路では3頭のクマが出没……
ニシキゴイを育てる養鯉池では網が破られる被害まで発生しました。
【平沢誠太郎さん】
「今まで錦鯉を食うなんてあんまり考えていなかった」
県は対策を強化 クマ総合対策事業として約3億8000万円を計上
クマの大量出没を受け、県は新年度予算案でクマの総合対策事業として約3億8000万円を計上しています。
自動で撮影できるカメラを追加で設置し出没状況などを確認するとしています。
また、クマの捕獲などを行う公務員「ガバメントハンター」を雇用する市町村を支援する考えです。
こうした対策について佐藤教授は……
【酪農学園大学 佐藤喜和教授】
「クマに強いまちづくりという観点から、誘引物となっているような木の伐採や河川の草刈りや、支障木の伐採などの環境管理にも、しっかりとお金が使われるといいと思います。できることなら、市町村に野生動物の専門的な知識とか、経験を持った職員を雇用するような、そういうところにも予算がまわされることが理想的だと思う」
クマ対策で期待されているのがIT技術などを活用した、いわゆる「スマート鳥獣害対策」です。
期待される「スマート鳥獣害対策」
こちらはカメラとスピーカーを取り付けたドローン。
新潟市秋葉区の会社がクマ対策に活用しています。
このドローン、上空から状況を確認できるだけでなく、サーマルカメラで熱による捜索も行えます。
また、スピーカーから野生動物が嫌がる犬の鳴き声を流すことで、山へ追い払うことができるといいます。
【トップライズ 長崎清部長】
「"音のバリアー"みたいな言い方をしているんですけれども、それで追い払っていこうというところをこれから担っていければなと。単にドローンだけではなくて、他の技術も活用しながら、より効果的な提案も役所に行っていければなと」
去年の大量出没の理由は?
なぜ去年クマが大量に出没したのか……
県内で野生動物の被害対策を支援している梅村佳寛さんは次のように指摘します。
【野生動物の被害対策支援「ういるこ」 梅村佳寛さん】
「おそらく背景にあるのはクマの生息数自体がかなり増加期に入っていて、個体数の管理っていうことがこれまで増やす方向には働いていたんですけど、減らす方向には動いていなかったので、そこに取り組んでいかないと、今のこの危機的な状況は、どんどん悪い方向にいっちゃう。そういうふうに思っています」
個体数が増えたクマ……
再び市街地にも出没する恐れがあります。
【野生動物の被害対策支援「ういるこ」 梅村佳寛さん】
「今までにクマが出なかったような地域でも、出る可能性が高くなっている。山間部の方だけではなくて、市街地に住んでいる方も、よりちょっと気をつけていく必要がある」
被害を減らすために……
クマが冬眠しているこの時期に準備を進める必要がありそうです。