演出家
「はい、ストップ。よし、女性は君に決定、あとの2人はおしまい。
男性は、そこの5人の中から決めよう。」
どんどん最後の審査は展開してく。
ここで、
女性は2人脱落し、1名の合格者が決定した。
そして、
男性は7人中、5人に絞られる。
その5人に、
僕も選ばれる。
え、なんで・・!?
なんで・・・??
脱落した2人と僕には
何の違いがあったの!?
分からない、分からないよ・・
演出家
「はい。では、その5人で、もう一度自分の部屋でホラー映画を見る演技いきます。
よーい、はい!」
瞬く間にまたスタートは切られた。
演技内容は同じもの。
しかし・・
ダメだ、集中できない。
僕はただ胡坐をかいて地面に座りながら
正面の一点を見つめることしかできない。
頭の中は混乱状態。
そして恐怖で覆い尽くされている。
なんで・・?どうして・・・?
の永遠ループ。
そんなこと考えたって
仕方のないことは分かっている。
だけど・・
それを振り払うことが出来ない。
恐怖を、振り払うことが出来ない。