カサハラ
「(なぜ緊張する必要があるのか・・・)」
この2人とは高校時代の同級生だし、
少し前に開催した「実際にボードゲームをプレイしてみよう会」でも
楽しくゲームをした仲だ。
むしろあの時は
『陽子さん(ウィザップ前社長)』
もいらっしゃったのだ。
あの時の方が間違いなく
“緊張する”場面だったはず。
なのに、今日。
この2人だけを前にして、
緊張する理由が見当たらない。
しかし・・
手の震えは止まらない。
むしろ、
心臓のバクバクすら聞こえてきた。
・・・・!!
カサハラ
「(そうか・・これは・・)」
僕が練りに練って考えてきた
「ゲームデザイン」が
2人からちゃんと
認められるかどうかという
プレッシャーから生まれる
緊張感なのかもしれない・・!!
この2人には
僕には思いつけない
『アイディア』の発想を持っている。
じゃあ、
僕には何ができるのか。
それは、
これまでの感性をつめこんだ
オリジナルの「ゲームデザイン」。
2人と同じ土俵でやっていくには
この「ゲームデザイン」が
しっかりしていなければならない。
この2人に
改めて認めてもらうには
このテストプレイで
僕の考えてきたカードゲームが
ちゃんと「面白い」と
ちゃんと「楽しんで」もらえなければ
ダメなのだ。
そう、この緊張感は、
この企画自体の明暗が分かれるであろう
『テストプレイ』開始への
プレッシャーだったのだ。
カサハラ
「(大丈夫だ・・自分を、自分を信じるんだ・・・!!)」
ふう・・・
僕はゆっくりと深呼吸をして、
テストプレイ開始の準備を整えた。
そして
手作りの簡易説明書の
1ページ目を開き・・・
カサハラ
「じゃあ・・・このゲームのルールを説明していくね・・!」
担当K
「OK!ヨロシク!」
同級生E(新社長)
「宜しく頼むよ」
いざ、
勝負のときが訪れた。