#オーディション #コラム #俳優 #劇団 #干拓音頭 #役者 #新潟 #新発田市 #演技 #紫雲寺
SEARCH

唯一の光



カサハラ
(干拓音頭なら、今でも体で覚えている・・・踊るなら、これしかない・・!!)



決して、ふざけた決断ではなかった。


ダンス未経験、いやむしろダンスに対して
“トラウマ”になるほどの経験をしていた僕にとっては・・


この”干拓音頭”を
自信を持って踊れることだけが唯一の光。



そして・・

この干拓音頭を”歌える”ということも
大きなメリットとなった。


“歌唱・ダンス審査”があるということは
きっと劇団に入団した後も”歌って踊る”ことを求められるはずだ。



だったら、ここで

干拓音頭を”歌って踊る”ことが出来れば
合格の可能性は一段とアップするに違いないのだ。


審査員
み、民謡ですか・・では、披露のほど宜しくお願いします


カサハラ
「はい。では行きます・・・」



僕は、呼吸を整えた。


そして・・


カサハラ
掘ってぇ~掘ってぇ~また掘ってぇ~!

審査員
え?

カサハラ
あ、お山に松!お山に松!

審査員
お、おや・・

カサハラ
な~み、チョン!な~み、チョン!

審査員
チョン・・?

カサハラ
下がって、下がって、や~まかいて、パパンがパン!

審査員
「パパンがパン・・・」

カサハラ
はい!!掘ってぇ~掘ってぇ~また掘ってぇ~

審査員
え?もう繰り返し!?

カサハラ
あ、お山に松、お山に松・・・










その後、


僕は、舞台のオーディション時に
当時の演出家(現社長)の


自分で演技を止めてしまってはいけない。辞めてしまうということは、審査を放棄してしまったことと同じ


という言葉を思い出し・・

審査員からストップの合図がでるまで
スタジオ内をぐるぐると”干拓音頭”を歌い踊り続けた。
15 件
〈 2 / 4 〉
カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。