『今日から、君の職業は、正式に”役者”だよ』
そう言われた、あの日から・・・
あの”只者ではない演出家”は、
カサハラ青年にとって”社長”となった。
そう、
ついにカサハラ青年は念願の
”芸能事務所”に所属することが出来たのだ。
その後、
”プロフィール用”の写真を撮影し、
事務所からも色々なオーディションにプロフィールを送ってもらい
”人生初めての撮影”も無事に終了すると・・
とある一通のメールがカサハラ青年のもとに届く。
そのメールの主は、なんとあの”タカモン”だった。
「久しぶり~!元気?今度舞台出るんだけど、よかったら見に来ない?」
そのメールは・・
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あれは、上京を間近に控えた・・
18歳の冬の、あの日のことだった。
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タカモン
「ケントってさ、なんか夢ってあるん?」
車を運転しながら、彼はそう僕に聞いてきた。
僕には”テレビに出る人になりたい”という夢があった。
しかし、その時は恥ずかしさが上回ってしまい・・
カサハラ
「とりあえず東京の大学行って、何かやりたいことみつけようかな~」
なんて返答をし、話題を濁すように・・
カサハラ
「じゃあ、タカモンは何か夢とかあるん?」
と、彼に聞き返してみた。
すると・・・
タカモン
「俺は、役者を目指そうと思う」
カサハラ
「・・え?」
僕は驚いた。
そして僕も、勇気を出して・・・
カサハラ
「・・・・実は俺もさ、そっちの方に興味あるんさ」
と答えた。
僕にとって、
“初めて”自分の夢を誰かに話した瞬間だった。
タカモン
「マジで!それ、熱ちぃじゃん!」
カサハラ
「これ恥ずかしくて、誰も言ってなかったけど・・」
タカモン
「いいじゃん、一緒に目指そうぜ!そしたら俺は大泉洋みたいに、地元で頑張ってから、東京いく」
カサハラ
「じゃあ俺は、東京で何かきっかけ掴めるように頑張ってみる」
タカモン
「それで、いつか共演できたら最高だな!」
カサハラ
「だな!」
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この日から、およそ5年。
”同じ夢を持った仲間”
タカモンからの、突然のメールだった。