そして、数日後。
僕は
”昔のカメラマンさん”から
メールで送られてきた住所を頼りに・・・
都内の撮影スタジオへと向かった。
が・・
スタジオのある場所は
初めて降りる都営地下鉄の駅で
土地勘がほぼなかった上・・・
「(こんなところに撮影スタジオなんてあるのか・・?!)」
と思うほど、都心から離れた郊外の
住宅地が広がるエリアだった。
「(場所、間違っていたらどうしよう・・・)」
そう思いながらも
約束の時間が近づいていたので・・・
地図アプリを使って
住所の示す地点までやってきた。
のだが・・・
「(え?!ここが撮影スタジオ!?)」
僕は驚愕した。
目の前には、どこにでもあるような
古びた2階建てのアパートがキョトンと立っており
それは、僕の住んでいるアパートにも
酷似するものだった。
2階に続くアパートの階段には
そこの住人なのか
小柄で長髪のオジサンが
スマホをいじりながら座っていた。
「(やべぇ・・!こんなアパートの中に撮影スタジオがあるわけない・・!!絶対、場所間違えた・・)」
その時ちょうど約束の時間をまわったので
僕は大慌てで”昔のカメラマンさん”の番号に電話を掛けた。
プルルルル、プルルルル・・・
昔のカメラマン
「はい、もしもし」
カサハラ
「あ、”昔のカメラマンさん”ですか!?本日撮影させていただく、カサハラケントです!すみません、場所を間違えたみたいで、少し遅れそうです!」
昔のカメラマン
「あれ?送った住所の通りに来てくれた?」
カサハラ
「はい、送っていただいた住所の通りには来たんですけど・・・」
昔のカメラマン
「あ、OK、OK、君ね~!」
カサハラ
「え?・・プープープー・・」
電話が切られた。
すると・・
階段に座っていた小柄で長髪のオジサンが
スマホをポケットにしまいながらこっちに向かってきた・・・
昔のカメラマン
「あ、君がカサハラさん?どうも、”昔のカメラマン”で~す!」
カサハラ
「え?・・・オジ・・む、昔のカメラマンさんですか?」
昔のカメラマン
「はい~、お待ちしてました、では、2階へどうぞ~!」
そう言うと、昔のカメラマンは
アパートの階段をトコトコと上がっていった。
カサハラ
「あ、え・・?
・
・
・
ここが撮影スタジオなの!?」
つづく・・・