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「ま、まさか、これ全員が参加希望者!?」




僕が、待ち合わせか何かでアルタ前にいると思った人たちは、

なんと、ほぼ全員ショップリの参加希望者たちだった。





「め、めっちゃおるやん・・・」


高校生くらいの若そうな子から、
渋くてダンディなオジ様まで

年齢も幅広ければ、タイプも様々な・・・
みんな”イケメン”ばかり。




僕はてっきり、朝8時にアルタ前に集合すれば誰でも
「いいとも!」に出れるものだと思っていた。が・・


出演を勝ち取るには、
オーディションを突破しなければならないのだ。




「(いやいや、さすがに、このメンツの中から選ばれるのは厳しすぎるだろ・・)」


と、僕はかなり絶望した。
すると・・・



「よし!ケント、いくよ!」


と言うと、Nさんは強引に僕が背負っていたリュックサックを引っ張り・・・

勢いよく”列の一番前”に陣取った。







スタッフさん
「お!やる気満々ですね!お名前は?」



「え?あ、はい、カサハラケント、21歳です」


スタッフさん
「はい、カサハラ君。じゃあ、”エントリーNo.1”番ね。」



「い、1番・・!?」







僕は、だいたい何か慣れないことをする時は、
”後ろの方に並んで、様子を見る”タイプ。




少しでも心の準備をする時間を確保できたり、
周りの出方を伺って工夫して挑む方が、ベストを尽くせると思うから。




しかし、今回はよりにもよって、
「エントリーNo.1」




人生初めてのオーディション。
これから何が待ち受けているか分からない状況でのトップバッター。
しかも周りのライバルは稀代のイケメンばかり・・・・





僕の置かれた状況は、非常に厳しいものとなった。





「Nさん、1番最初って、1番不利じゃないですか?・・・」


Nさん
「ケント、何言ってるのよ!今日はグランプリ獲るんだから、縁起のいい番号じゃない!」



「は、はぁ・・・」



Nさんは、いつでもポジティブだ。

そこからは、緊張の連続だった。



エントリー順に、アルタの中に案内されると、
まずは顔写真を撮って、エントリーシートを記入することになった。




シートに記入する内容は、
名前や生年月日、職業など・・・・

ごく普通の”履歴書”のような感じだった。




とりあえず僕は必要事項だけ記入して、
スタッフさんに手渡した。




「(はぁ、これからどんなオーディションが始まるんだろう。緊張してきたな・・・)」




と、ドキドキしながら待っていると、
エントリーシートを回収したスタッフさんが参加者のみんなに呼びかけた。




スタッフさん
「では回収したエントリーシートをもとに、
これから書類選考しますので、少々お待ちください」




「なんやて!?」




そう、すでにオーディションは始まっていたのだ。


「(そうと分かれば、もっと意気込みとか、
いろいろ書いたのに・・・)」




と、嘆きながらも、もはやどうすることもできなかったので、
ただただ奇跡を願いながら、待つことにした。






選考中、参加者40~50人は、
とりあえずアルタの階段の壁際に、一列になって待機することになり



僕はエントリーNo.1なので、
最上階の先頭で体育座りしながら待っていた。




ふと階段を見下ろすと、最下階まで長蛇の列。

「いやいや、こんなに参加者いるのかよ・・・」



改めて、絶望。しばし待機。











数分後・・・



階段の上から、スタッフさん登場!
周りの空気が一気にピリつく・・



スタッフさん
「では、通過者を発表します!」



「(き、来たか・・・)」





緊張の一瞬・・・









「まずは、エントリーNo.1カサハラ君」

「はい!」




見事、書類選考通過!!
Nさんも喜んだ!




あのエントリーシートの内容の何が決め手だったのかは、
まったく分からないけど・・・

とりあえず第1関門を突破!!!



スタッフさんが通過者の発表を終えると、
呼ばれなかった人たちは、そのまま階段を下りて帰っていった。



「朝8時にアルタ前に来てから、まだ30分も経ってないのに・・」
シビアな世界だ。



ここで参加者は、およそ20人に絞られた。


続いて、2次審査。




続いての2次審査は、「面談」。





スタッフさん
「では、エントリーNo.1のカサハラ君、中にどうぞ。」

もちろん面談も、僕が一番最初だ。




中に入ると、会議室のような場所。
たぶん番組制作の偉い人が2人、椅子に座っていた。


そして、すぐさま面談スタート。



偉い人2人は僕のエントリーシートを見ながら
いろいろと質問してきた。




僕の予想では、

「将来の夢は何?」や、「芸能界に興味ある?」とか・・

そんな感じの質問がくると思っていたけど、



質問の内容は、エントリーシートに書いてある内容を改めて聞かれたりするだけで、
”特に変わった質問”などはなかった。



面談の雰囲気も和やかで、
僕も緊張しながらも割と自然体な感じで受け答えすることができた。




そして、ものの数分で、
2次審査の「面談」は終了。





個人的には、もっと踏み込んだことを聞かれると思っていたので、
少し拍子抜けな感じだった。が・・





「いや、もしかしたら・・・」



嫌な予感が走った。



「面談部屋に入った瞬間に、
合否が決定したとか・・・?」




僕は、改めて面談を振り返った。


「いいとも!」出演を決めるための大事な審査なのに、
あんなエントリーシートに書かれた内容を改めて質問するだけって、おかしくないか!?


もっと、

「『いいとも!』って見てる?」とか

「『いいとも!』の何のコーナー好き?」とか

「『いいとも!』の何曜日が好き?」とか・・・



もっともっと、
聞けることいっぱいあるはずじゃない!?






「(これは、最初から見込みなかったんだな・・・

面談部屋に入った瞬間に 『 この子は落選 』 と・・・

だから当たり障りのない質問だけで、あっさり終わらせたんだな・・・)」





ネガティブな疑問の点と点が、
きれいに一本の線に繋がった。




肩を落としながら階段で、しばし待機。


「まだギリギリ午前中の授業間に合うかも、早く帰りたいな。」


すでに諦めモードの僕は、
そんなことを考えながら、一応選考結果を待っていた。











階段の上から、スタッフさん登場。


スタッフさん
「では、通過者を発表します。













まずは、エントリーNo.1カサハラ君」



「噓でしょ!?」




何が、どうして、こうなったのか・・・

僕はまったく理解できないまま、ただその場で唖然としていた。





ついに参加者は、10人にまで絞られた。
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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。

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