完全ヤンキー
「まぁ、一応、集合時間になったら集まって、舞台監督や演出家たちから話があったり、場合によっては確認したいシーンの稽古(返し稽古)をしたりするんやけど、基本的にはみんな各々のやり方で本番に向けて準備を進めていくんや」
カサハラ
「そうなんですね・・でも、その方が気楽ですね・・(笑)」
完全ヤンキー
「いや、そんなに甘くはないで~」
カサハラ
「え?」
完全ヤンキー
「演出家や舞台監督、スタッフさんが俺ら役者に自由に準備させるってのは、俺らをちゃんと”プロ”としてみてるからや」
カサハラ
「プロとして・・」
完全ヤンキー
「せやから、俺ら役者は本番で最高の芝居ができるように、最高の準備を整えておく必要があるんや」
カサハラ
「最高の準備を・・」
完全ヤンキー
「もし、ちゃんと準備せずに本番を迎えてな、普段は起こさへんようなミスやったり、セリフ飛ばしたりしたもんならな・・・」
カサハラ
「はい・・」
完全ヤンキー
「プロ失格や」
カサハラ
「うぅ・・・なるほど・・」
完全ヤンキー
「まぁ、いくら準備しても予期せぬハプニングやミスってのは起こるもんや。舞台はナマモノやからな。でもな、それが自分の準備不足で起こってしまったとしたら、それはこの舞台に関わる人すべてに失礼にあたること」
カサハラ
「はい・・」
完全ヤンキー
「それは見に来てくれるお客様に対しても同じやぞ。お金と時間を使って、俺らの舞台を楽しみにしてくれてるんや。そのお客様の期待を裏切るようなことは絶対にしちゃいかん」
カサハラ
「・・・」
完全ヤンキー
「やから、この”準備”っちゅのは、とても大事なんや」
カサハラ
「はい、重く理解しました・・・」
完全ヤンキー
「よしよし~”準備”の大切さが伝わって良かったで~」
カサハラ
「なんか、胃が痛くなってきました・・・」
完全ヤンキー
「まぁ、大切なことやけど、話は単純や。俺らは最高の芝居をすればいいだけのことや~ケントは昨日良い感じに役作りの面で吹っ切れたことやし、それを本番でちゃんと出せるようにするだけや~」
カサハラ
「・・・はい!最高の芝居ができるようにしっかりと”準備”します・・!」
完全ヤンキー
「せや、その心意気や~」
その後
完全ヤンキーから
ウォーミングアップのやり方や発声練習
開演時間を逆算したスケジューリングなど・・
具体的な準備の仕方を
一通り教えてもらい・・
完全ヤンキー
「あとは、ケントのやり易い感じでやったらええで~」
と声を掛けてもらい
集合時間になるまで自分なりに
最高のお芝居をできるための”準備”を整えていった。
そして・・