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第9弾「米を感じる、ひやおろし」|【R20ここだけの話】気になる日本酒、語らせて

【R20ここだけの話】~気になる日本酒、語らせて~

2022.10.09

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知る人ぞ知る新潟の銘酒。 元日本酒翻訳家が独断で選び、酒蔵の方を巻き込んで語るコーナー。 今回はジャケ買いした「ひやおろし」がおいしかったので、峰乃白梅酒造さんにお聞きしました!

もう秋ですね。
各地の酒屋さんでも「ひやおろし」が並ぶ季節になりました。
純米酒好きの方におすすめしたいお酒です。

よく聞く「ひやおろし」って

ところで「ひやおろし」って何だろうと思われている方もいると思います。
おおざっぱに説明するとこんなお酒です。
・上槽(お酒と酒粕に搾り分ける作業)後に火入れする
・春から秋にかけて貯蔵・熟成させる
・出荷時には火入れをしない。

※各酒造で定義や出荷基準が異なるかと思うので、あくまで広義でとらえてください
濃厚な味や香りが多くなる秋の味覚とも相性よさそうですよね。

数多ある中でジャケ買いしてしまった「ひやおろし」がこちら

峰乃白梅 純米吟醸 ひやおろし

この金ピカの梅の花がゴージャス!
だけどゴテゴテしてなくて可愛い。
では、さっそく、開栓

この口開けの香りが楽しみでして、
瓶詰めした時の香りが熟成されて、濃厚で穏やかな香りを楽しむことができるんです。

・小梅やすぐりの実のような甘酸っぱい果実の香り。
・はちみつのような甘くまったりした香り。
炊き立てご飯のような香りを想像していたので意外でした。
※感じ方には個人差があります。
いただきます!

・口をつけたときのお水が軟らかく、するっと流れてくるくらいなめらか
・含み香がほのかに爽やかな、ハーブのような清涼感を感じる香り。
それもあってか、
コクを感じるのに後味の余韻が残りすぎず、すっきりキレ味に近い後味。

せっかくなので【38℃くらいのぬる燗】にしてみました。

・香りは炊き立てご飯のほんのり甘い香りに。
・爽やかな酸味、まろやかな旨みのバランスが絶妙

美味しい。ダラダラ飲めちゃう。
(この時点で1合半くらい減っていました)
これは、おすすめの飲み方やお米のこだわりもお聞きしたい!

*********今回は、峰乃白梅酒造の青木さんにお聞きしました。*********

「峰乃白梅」とはどんなお酒?

ぬるこ:「峰乃白梅 純米吟醸 ひやおろし」はどれくらい寝かせていますか。
青木さん:このお酒は今年(2022年)の4月に詰めたものを瓶詰後に火入れして、温度管理をして寝かせていたので、およそ5カ月から6カ月くらいですね。
青木さん:各蔵で方法は多少違うかと思いますが、ひやおろしは「生貯蔵酒の逆」をしています。

【生貯蔵酒】上槽後に火入れをせず、生酒のまま貯蔵し出荷時に一回火入れをします。
【ひやおろし】上槽後に火入れをして貯蔵・熟成させ、出荷時は火入れをしません。


※上槽…醪(もろみ)を搾って、澄んだ酒と酒粕にわける作業のこと
ぬるこ:そう教えていただけると、シンプルで分かりやすいですね。(ひやおろしは)じっくり熟成されて、その香りと味が口開けの瞬間まで残っているんですね。
ひやおろしのおすすめの飲み方はありますか。

青木さん:お好みあるかと思いますが、ひやおろしの「ひや」は気温が下がってきたこの時期を指すので、その季節の「常温」に合わせて飲むのもいいと思います。

ぬるこ:口開けの香りがはちみつのような甘い香りで、なかなか出会わないですね。
青木さん:香りの感じ方は人それぞれですが、「峰乃白梅」はコク旨な味わいに仕上がるので、香りも濃厚になるのかもしれませんね。

ぬるこ:コクもまろやかなのに、後味がすっきりとしていて思いのほか飲みやすかったです。
峰乃白梅のひやおろしは純米吟醸だけですか。

青木さん:そうですね。「峰乃白梅シリーズ」に関してはここ数年、純米吟醸をひやおろしにしています。今年からラベルデザインを変えたので、これからも「純米吟醸のひやおろし」が続きます。
逆に「菱湖」は「フルーティー」と「フレッシュ」が売りです。甘くジューシーに仕上がるお米を使っているので、またひと味違った「ひやおろし」になります。

左が菱湖、右が峰乃白梅

「お米」の旨味と「湧き水」

ぬるこ:シリーズで味の方針が全く異なりますね。お米の旨味が楽しめる「峰乃白梅シリーズ」。お米にこだわりがありますか?

青木さん:はい、主に新潟県のお米を使用しています。特に純米酒や純米吟醸を長年造ってきたので、米だけで作るお酒に自信があり、それをひやおろしにすることでお米の旨味がさらに増した商品になっています。お値ごろでありながらも美味しい飲み口になっています。

ぬるこ:新潟県産米の旨味、伝統の技術で凝縮されていたのですね。

青木さん:あと、「豊かな湧水が使える」ことも強みですね。仕込みにこの湧水を使うことで澄んだ味わいに仕上がりやすく、飲みごこちの良さにも表れていると思います。

ぬるこ:流れるように滑らかでした。味がしっかりしているのに余韻が程よく引く感じも良かったです。

蔵まで運ばれている湧水

緑の床材の下が湧水をためる水槽になっている

青木さん:角田山と弥彦山に挟まれたこの地域は湧水が豊富で、水質も夏にはホタルが見られるほどの良水です。
ぬるこ:「ほたるの里公園」も近いですよね。ホタルが認めるほどの銘水なんですね。
峰乃白梅シリーズと菱湖シリーズ、どちらも雑味が少なく仕上がるのは湧水が肝だったのですね。

お時間いただきありがとうございました!
他の峰乃白梅シリーズ、季節限定の商品などはこちらから購入できます。
【峰乃白梅酒造オンラインストア】
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ぬる燗好きのぬるこ
皆さま、言霊って信じますか? 私は文芸部の友人から「温ちゃんの『温』って、ぬる燗の『ぬる』なんだね。明日から『ぬるこ』って呼ぶね!」 と言われ、(20歳超えてから)日本酒が好きになり、好きが高じて、気づいたら商社で日本酒の翻訳を担当していました。 新潟の日本酒について語り、皆さまに「このお酒飲んでみたい」と思われるような記事をお届けします。

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