社長のもとで
”究極のリアル演技”の
学びが再開してから・・・
数週間後のある日。
レッスン終わりに
僕は社長に呼び出された。
社長
「カサハラ、ちょうと良い?」
カサハラ
「あ、はい・・!」
その頃になると・・・
僕が所属した後にも、新しい役者が
どんどん事務所に所属していき・・
僕にとって初めての
”役者の後輩”というものができていた。
その後輩たちとも、
この数週間一緒に社長の元で
”リアル演技”のレッスンを行い・・
お互いに切磋琢磨している状況だった。
社長
「新しく所属した後輩たちは、カサハラから見てどう思う?」
カサハラ
「え?あ、そうですね・・みんな演技に惹きつけるものがあって・・負けられないなって思います!」
社長
「そうか。彼らはね、君が役者修行に行っている間にうちに所属したんだけど、みんなカサハラが修行から帰ってくるのを待ち侘びていたんだよ」
カサハラ
「そ、そうなんですか?!」
社長
「私の方から、”カサハラという良い役者の先輩がいるよ”と彼らに伝えていたからね」
カサハラ
「え、それはそれは・・」
何というか恐れ多い半分・・
素直に嬉しい。
社長
「それで、君が修行から帰ってきて、ここ数週間、後輩の彼らと一緒にレッスンを受けてもらった訳だけど、彼らに、君の印象を聞いてみたんだ」
カサハラ
「え?」
社長
「どんな回答だったと思う?」
カサハラ
「うーん・・・ど、どんな回答だったんでしょうか?」
と、言葉は濁したが・・・正直
「いやぁ〜カサハラ先輩、さすがですね!!」
「もう、素敵な演技に憧れちゃいます〜〜」
「僕も、カサハラ先輩みたいな役者を目指します!」
なんて、声を聞けるものと
僕は、社長の回答をウキウキと待った。
が・・・
社長
「『カサハラ先輩、思ったより大したことないですね』、だってさ」
カサハラ
「え・・えーーーーっ!?!?!?!?」