車内アナウンス
「強風の影響で他の列車に遅れが生じているため、この列車は、黒山駅で一旦待ち合わせをします。現時点で発車時刻の目途は、立っておりません。お急ぎのところ大変・・・」
カサハラ
「な、なんやて?!!!!」
ここで、まさかの事態が起きた。
いや、もはや定番の展開になってしまった・・・
カサハラ
「このままじゃ、生放送に遅刻してしまう!!!」
僕は、ポケットからスマホを取り出して、
電車の時刻表を調べた。
今乗っている電車は、通常通り走行すれば
18:00前には、新発田に到着する予定だ。
しかし現在、電車は
黒山駅で停車中。
黒山駅から新発田駅までは
あと3駅という距離。
例えば、現在地から新発田駅までの距離が
10駅以上離れている状況であれば・・・
運転再開後、運転手さんの力量で、
遅延は解消できるかもしれない。
しかし、あとたったの3駅ともなれば・・
ここで遅延した分だけ、新発田駅への到着時間は、確実に遅れるであろう。
カサハラ
「(やばい・・これはガチでヤバイぞ・・!!)」
続いて僕は地図アプリで、
新発田駅からラジオブースまでの距離を調べた。
すると・・・
新発田駅からラジオブースまでは
徒歩にして、およそ13分と、アプリに表示された。
カサハラ
「オイ、これ・・・ガチでヤバイぞ・・」
時刻通りに新発田駅に着いたとしても、
18:00前。
そこから徒歩で13分となれば・・・
電車が遅延してなかった状態でも
約束の【18:15】にギリギリ到着できるくらい。
しかし、今。
乗車中の列車は
黒山駅で待ち合わせ中。
なんなら、スマホで時刻表やら
地図アプリで調べている間にすでに
5分は停車している。
これは、本当にマズイ・・・
しかし、ここで光明が下りてくる。
カサハラ
「いや待てよ、徒歩で13分ならば、本気で走れば5分くらいで到着できるんじゃないか・・?」
それならば、まだ望みはある・・!!
もし走って5分で到着できるのなら、
新発田駅には18:10までに到着できれば大丈夫。
カサハラ
「ならば、最悪の場合黒山駅で10分くらい停車しても、ギリギリ約束の時間に間に合うはずだ・・!!」
よし、これなら行ける!
そう信じ、車内アナウンスから運転再開の報を待った。
が、ここで僕は致命的なことに気が付いた。
カサハラ
「やべぇ・・・まだ病み上がりだった・・・」
実は、この2か月前・・
自分の不注意で、左足首をポッキリと骨折してしまっていたのだ。
長い療養と、リハビリの時期を過ごし・・・
この新潟帰省の数日前にやっと通院が終了したばかりだったのだ。
カサハラ
「いやいや、こんな治りたての足で、果たして全力で走れるのか・・!?5分でラジオブースまでたどり着けるのか!?」
いや、これは絶対に無理だ。
なんなら、この日は、
久しぶりにちょっと長い時間歩いだけで・・
すでに、足にキテるくらいだ。
これはヤバイ・・・
これは本当にヤバイ・・・
このまま生放送までに
ラジオブースに到着できなかったら・・・
新発田にいながらも
”電話出演”という・・・
ワケの分からない状況になってしまう。
カサハラ
「(これは確実に、次回のコラムのネタになりそうだな・・・)」
と、そんなことを考えている間ですら・・
まだ”車内アナウンス”は流れてこない。
つづく・・