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【鼓童ファン必見】"ひとつの地球"をめざして世界を旅する鼓童の「ワン・アース・ツアー」の裏側とは? 鼓童の公演ができるまで #1

鼓童 -KODO-

2025.04.04

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【鼓童コラム】太鼓芸能集団 鼓童「ワン・アース・ツアー2025」の演出を務める前田順康が、6月1日柏崎公演までの裏側を語ります!3月までツアーでまわっていたアメリカでの公演を通して思うこともあったそうで...??

みなさん、こんにちは
北米ツアーが始まり はやくも1ヶ月が経ちました
これまで11都市16公演を終え、
メンバーのみんなも生活や舞台の環境に慣れ、
それぞれ元気に、楽しみながら毎日を過ごしています
旅の冒頭は西海岸を北へ南へ
雪の街もあれば、20℃を超える街、
そして、内陸の砂漠、ニューメキシコやコロラドの高地もあり、
本当に広大な国だということを気候や植生の変化の振り幅から実感しています

移動中の車内にて [Photo by yasu]

ワン・アース・ツアーのはじまり

さて、今回は「演出担当が決まってからの流れ」についてをお話しします
まずは、
半纏を着たクラシックなスタイルなのか、
新衣装なども視野に入れる完全新作なのか、
といった作品の方向性を代表やプロデューサーと話し合います
公演時間や人数感、制作体制や舞台スタッフの座組みなど、
さまざまな項目を確認し、どんな作品にするかが見えてきたら、キャストの調整が動き出します
鼓童は通常2班、多い時は4班の体制で動いています
それぞれ人数の規模は異なりますが、
中心演目となる「大太鼓」の打ち手や、笛を担当するメンバーなど各班のバランスをとりながら、
佐渡で研修生の指導にあたるメンバーの確保など、キャストの調整は様々な要素が関わってきます
また、その作品のツアー期間や、再演の可能性も考慮しつつ、
メンバー個人の今後の展望なども加味した長期的な視点からの調整も行われます
こうやって決まったキャストから、
このメンバーなら何ができるのか
具体的な演目だけでなく、もっと大きく、
作品としてどんなところへいけるか
という想像、構想の段階に入ります
同じ楽曲であっても
出演者の顔ぶれによって
その楽曲、そして作品全体のカラーが左右されるのですが、
そこがとても面白いところだと思っています

[Photo by Takashi Okamoto]

まさにいまツアーをしている「童 Warabe」も、
2021年初演後、国内での再演、二度の海外ツアー、そして今回と、
少しずつメンバーが入れ替わりながら作品が続いています
新たに参加するメンバーにとって、初めは不安もあるでしょうが、
旅の中で空気が混ざりあい、
それまでとは違った、
また新たな作品の色彩や呼吸感が生まれていきます
普段見えない鼓童さんの裏側。
個性豊かなメンバーの皆さんだからこそ、
演奏者によって、公演によって、
毎回違う音色を会場に響かせることができるのですね。

海外公演の感触

鼓童のSNSでもツアー先の様子をお届けしておりますが、
やはり、アメリカはお客様の反応が大きく、ストレートであることが印象的な地域です
ありがたいことに、毎公演スタンディングでの拍手をいただき、客席と一体となりフィナーレを迎えています

毎公演スタンディングオベーションは圧巻ですね!! ※画像はイメージです

客席をよく見渡せば、
楽曲のセクション毎に歓声を上げる方や、
曲の終わりまで静かに見つめている方もあり、
当たり前と言えば当たり前ですが、
どこの地域の人であっても、それぞれがオリジナルな、ひとりの存在です
楽曲の好みも違えば、何かを感じた際にとる行動も異なります
「アメリカと言えばこういう反応!」
と括ってしまうのもなんだか乱暴なのかもしれないなと、公演を終える毎に考えさせられています
劇場のクルーや飲食店のスタッフ、ホテルのコンシェルジュなど、日々多くの人と関わります

地代純@ボストンシンフォニーホールにて [Photo by Takeshi Arai]

日常のほんの少しの会話でも、本当にいろんな性格、考え方の人がいることを実感します
それなのに、言語や、国が違うという二次的な要因に頭が引っ張られて、そのような当たり前すら見失ってしまう可能性があるというのは とても危ないことだと気付かされます
ワン・アース、ひとつの地球をテーマに活動をしている鼓童ですが、
人種、国籍、言語、宗教、それらを超えて、
共通する感覚が私たち人類にはあるはずだということを、この旅が示してくれています
このように旅のレポートも含めてお届けをしていくことになると思います
次回からは具体的に、「ワン・アース・ツアー2025」の作品作りのお話しに入っていきます
新潟、佐渡はじめ日本は毎週のように寒波に見舞われていますね、、
鼓童村の雪かきの様子も届きますが、とても大変そうです

鼓童村での雪かきの様子 [Photo by Sorami Ikeyama]

「鼓童さんの公演にはよく行くけど、ワン・アース・ツアーってなに?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
このレポートを通じて、鼓童の皆さんが感じていることや伝えたいことを共有したいと思っています!
裏側を知れば、公演もいつもより楽しめるはず...(^^)
次回もお楽しみに!
 2025.02.××
コロラド州→インディアナ州 移動日の機内より
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鼓童 -KODO-
太鼓芸能集団 鼓童. 新潟県佐渡市を拠点とし活動を世界へ広げる。 太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団。 1981年、ベルリン芸術祭でデビュー。以来世界50以上の国と地域で7,000回を超える公演を行う。 劇場公演の他、世界の主要な国際芸術祭等へ多数参加し、近年では、初音ミク、MIYAVIらとの共演、オンラインゲーム「原神」の音楽に参加するなど活動の幅を広げている。2023年、令和5年度文化庁長官表彰。