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10分後。
カサハラ
「はい・・おしまい〜!」
「パチパチパチパチ!!」
教室に拍手の音が鳴り響いた。
子ども達は目を輝かせながら
僕の方を見てくれていた。
実弟
「はい、ありがとうございました。みなさん、劇をやるイメージはできましたか?」
子ども達
「はい!」
実弟
「じゃあ、みなさん、全員でお礼をしましょう」
子ども達
「はい!」
実弟
「ありがとうございました!」
子ども達
「ありがとうございました〜!!」
カサハラ
「あ、こちらこそありがとうございました!」
その後、
いったん僕の見送りで
実弟は他の先生に子ども達を任せ
一緒に学習机と椅子を
レンタカーへと運んでくれた。
実弟
「急なお願いだったのにありがとね」
カサハラ
「おう、ぜんぜんOKだ」
実弟
「あれだね、いつも兄さんの舞台とか見に行くと、結構セリフスピードとか早いから、子ども達が聞き取れるかなって心配だったけど、ちゃんと合わせてくれたんだね」
実弟はほぼ毎回僕の出演する
舞台を観に来てくれていた。
カサハラ
「まぁ、そりゃな〜子ども達には身振り手振りを大きく使って、ゆっくり分かりやすく演るのが大事だからさ〜」
実弟
「なるほどね〜」
まさか、ここで
”全国の小学校を旅回り公演”していた時の
表現演技の経験が活かされるとは思わなかった。
カサハラ
「あ、子ども達の劇って、”さるかに合戦”を演る予定なん?」
実弟
「うん、そうだよ」
カサハラ
「劇の練習とかって、もう始まる感じ?」
実弟
「そうだね、もう少ししたら始める感じかな〜」
カサハラ
「なるほど・・・」
実弟
「何が?」
カサハラ
「あ、いや、なんでもない〜。とりあえず、机と椅子ありがとな!」
実弟
「うん、こちらこそ、2人芝居見に行くから頑張ってね」
カサハラ
「おうよ!」
そして僕は・・
実弟と小学校に一礼し
都内に向けてレンタカーを走らせた。