「ケントさん、俺と一緒に舞台作りません?」
とある舞台の打ち上げで・・
共演者のケイスケから
予想もしていなかった話を持ちかけられた。
これまでは”出演する”側、
ばかりだったカサハラ青年だが
このケイスケの一言をキッカケに・・・
そのステージは、だんだんと
”創り手”側に移り変わっていくことになるのだった。
これが
カサハラ青年の役者物語の
「最終章」となる。
カサハラ
「(こ、◯ろされる・・・こんなことしたら、ケイスケに◯される・・)」
しかし、僕の手は止まらない。
2人芝居の本番まで
3週間を切った最中・・
いや、さらに言えば
まだ2人芝居の
”台本ができてもいない”最中・・
特に誰かから
お願いされた訳でもない
言ってしまえば
余計なお世話。
完全なる自己満足。
いや、もはや・・・
ただの現実逃避。
そんな思いも
頭をよぎりながら
いや、頭の中では
「今すぐに辞めろ」
と信号を出し続けていても・・
僕の手は止まらない。
全くもって
必要とされていない。
さるが悪者にならない
ようにするための
「新釈・さるかに合戦」
なる台本をただただ
執筆し続けてしまった。