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時間は待ってくれない



その後

冒頭のト書きのシーンが終わると
今度は容疑者8人による絶え間のない会話劇が進んで行き・・


観客も、その会話の一言一句を聞き逃すまいと
前のめりになって、舞台上に視線が釘付けになる。



その様はまさに
目撃」そのものだった。



演出家の求めているもの、世界観。
そのすべてが、そこで繰り広げられている。


舞台裏のモニターを通し
身体を震わせながら、僕はその様子を覗いていた。


「(もう少ししたら、僕もこの舞台上に立つことになるのか・・・)」


そう思うだけで
尋常じゃないほどの緊張感に襲われる。


でも、時間は待ってくれない。


容疑者8人のシーンがどんどんと進み、
刑事2人の登場シーンも過ぎていくと・・


あっという間に
”遺族たち”シーンがやってきた。


まもなく”遺族のシーン”です、扉の前に準備をお願いします


舞台監督が小声でアナウンスし
”遺族たち”は舞台中央に位置する扉の後ろに待機する。


そして・・・


ステージ上から容疑者役の
“キッカケ台詞”が聞こえた瞬間


舞台監督が一気に扉を開けて・・・


僕ら”遺族たち”は
一斉にステージ上へと雪崩れ込んだ。



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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。

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