演出家の合図とともに、
メインの遺族3人に
ついてゆく感じで僕ら5人も
扉から容疑者8人が閉じ込められている
空間に入っていった。
容疑者8人は、
突然の遺族たちの登場と・・
その醸し出される
異様な空気感に硬直する。
そして
ゆっくりと・・
遺族3人と
容疑者8人の会話が始まる。
当然、
僕たちオーディション組の
4人+ヒノウエさんにはセリフはなく・・
その様子をじっと見つめる者・・
室内をうろうろと徘徊する者・・
みな、それぞれだった。
が・・・
カサハラ
「(や、やばい・・どうしたら良いんだろう・・)」
僕は、その空間の中で
どうしていいか分からず・・
突っ立っている
ことしかできなかった。
そして・・
あれよあれよという間に、
遺族たちの登場シーンはどんどん進み・・・
台本通り遺族のリーダーの“きっかけ台詞”で、
僕ら遺族たちは全員、扉から外へ出ていった。
演出家
「はい、一旦ここまで。10分後にもう一度今の“遺族のシーン”をやります」