演出家の合図で、
再び稽古はスタートした。
メインの遺族3人に連れられて、
僕ら”遺族たち”5人は、扉から入る。
カサハラ
「(よし、完全ヤンキーさんのアドバイスを参考にやってみよう・・)」
僕は、なるべく
舞台面に立たないように・・
そして
メインのキャストのお芝居を
邪魔しないように意識しながら・・
自分の作り上げてきた
”神谷椎太郎”を演じてみた。
2度目ということもあり
少し冷静に周りを見ることができたので
”神谷椎太郎”のヤバイやつ感も
意識的に出せるように心掛けた。
そして・・・
またあっという間に
遺族たちの登場シーンの場面は終了。
カサハラ
「(よし、1回目よりは個人的にも上手くできた感じがしたぞ・・・)」
が・・
「うーん、1回目の方が良かったですね。じゃあ、10分間休憩します」
そう言うと
演出家はヒノウエさんに
何か一言耳打ちをして・・
階段を上り
スタジオの外へ消えていった。
カサハラ
「え!?・・2回目の方が個人的には良かった気がしたのに、どうしてだろう・・?」
完全ヤンキー
「うーん、舞台上での動き方的には問題なかったかもしれへんけど・・なんとなく、演出家の言いたいことも分かるような気がするな~」
カサハラ
「え?どういうことですか?」
すると、ヒノウエさんが
オーディション組の元へやってきた。
ヒノウエさん
「オーディション組のミナサン、少しお時間イイデスカ?」