取材やメディア掲載、広告出稿に関してのご依頼、掲載記事に関するお問合せはこちら

お問い合わせフォーム

公式SNSでも発信中

【ライブレポート】新潟パンクロックバンド THE KING OF ROOKIE 全国ツアーファイナル at 古町GOLDEN PIGS BLACK STAGE #新潟バンド

イベント

2023.09.08

  • facebook
  • twitter
  • LINE

平均年齢22歳!新潟のぶっこわれ青春パンクロックバンドTHE KING OF ROOKIE(ザ・キングオブルーキー)のNewミニアルバム「ミックスジュースロケット」が2023年4月5日 EVOL RECORDSからリリースされた。30ヶ所以上を回る全国レコ発ツアーのファイナル新潟公演をレポートする。

青春パンクロックバンド “THE KING OF ROOKIE”

平均年齢22歳の勢いしかない新潟バンドTHE KING OF ROOKIE(以下ルーキー)。全国のライブハウスイベント、サーキットフェスに引っ張りだこのルーキーは、自主企画や路上ライブなど勢力的に活動の幅を広げており、TENDOUJIやサバシスターなど、実力派ツアーバンドのサポートアクトを務めることも珍しくない。そんな彼らの真っ直ぐでキャッチーな3ピース青春パンクに心打たれる人が急増している。

THE KING OF ROOKIE【愛とディスタンス】(Official Music Video)

THE KING OF ROOKIEのNewミニアルバム『ミックスジュースロケット』のリリースを記念した『愛も悲観も混ぜ飛ばすツアー2023』で30ヶ所以上を全国各地を飛び回っていた彼ら。そのツアーファイナル新潟公演をレポートする。

LIVE REPORT

The king of rookie ツアーファイナル バックドロップ
「まだまだお客さんいらっしゃいますので、前の方に詰めてお待ちください〜」とのアナウンスと共に、お客さんで溢れかえった古町のライブハウスGOLDEN PIGS BLACK STAGE。白いバックドロップがフロアに飾られ、ワンマンならではの独特な雰囲気のまま開演時間を迎える。
19時9分BGMの音量が少しずつ上がっていき、客電が暗転。彼らのセルフタイトルテーマソング『THE KING OF ROOKIE』をSEに合わせメンバーが登場する。(ワンマンなのにいつものOpening SEの入っているCDを犬人間が忘れてきたらしい笑) 赤い照明に照らされたいつもの3人組は、多くの拍手と歓声に迎えられる。

鈴木琳(Gt.Vo.) [Photo by るなこさかい]

上手に犬人間(Dr.)。センターに鈴木琳(Gt.Vo.)。下手にワシミ(Ba.)という配置。ドラムがステージ奥に入り組まず、一直線に並んでいるお馴染みのルーキースタイルだ。ドラムセットが斜めを向き、フロア手前にセットされている光景は中々珍しい。ルーキーならではのお客さんへ前のめりな気持ちの現れなのかもしれない。
本日のワンマンライブ一発目の一音目。元気でやんちゃな3人組が一斉に音をかき鳴らす。まっすぐ力強く飛んでくるサウンドに包まれ、轟音なのに心地よく、平均年齢22歳の若手バンドにどこか懐かしさも感じる不思議な感覚だ。
The king of rookie ツアーファイナル 新潟バンド

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

1曲目は『愛とディスタンス』 。4月にリリースしたミニアルバム「ミックスジュースロケット」の1曲目にも収録され、MV化もされた表題曲だ。感情むき出しのパンクロックに、メンバー全員がシンガロングスタイル。
自分の体めがけて、ズドーンと飛んでくるバンドサウンドが初っ端から全開だ。彼らのライブを目の当たりにすると、フロア1人1人の何かが焚き付けられ、前のめりにならざるを得ない。お客さんが前の方に1歩ずつ押し寄せ、熱量が可視化されたかのような、これこそライブだと思わせてくれるアツい光景が見える。

犬人間(Dr.) [Photo by るなこさかい]

犬人間(Dr.)の硬く力強いキック、ワシミ(Ba.)の真っ直ぐ押し寄せてくるベース、ピンクに髪を染めた鈴木琳(Gt.Vo.)の荒削りながらも魂から出る嘘のない歌声。サビではその爆発力から惜しみなく拳がつき上がる。
開放弦をぶっぱなしたジャーーンという音を繋ぎにストロボがバチバチと彼らを包む中、勢いを更に加速しつつ「聴こえないほどのラブソング」に突入。轟音と儚さの両立が照明に照らされ眩しい。

ワシミ(Ba.) [Photo by るなこさかい]

「日々のストレスとかもう忘れて、ロックルロールに騙されましょう」と始まったのは『ロックンロールに騙されて』。歌詞の語尾で手を上げるノリやすさに、自然と手が上がってしまう。彼らの曲の勢いに身を任せていれば間違いない。そんなパワーが彼らのライブにはある。
続いて開放的で爽快な『目玉パチンコ』。犬人間(Dr.)の裏声コーラスが印象的だ。息のあったストロークと、丸く優しさのあるベースが心地いい。犬人間(Dr.)がスポットライトに照らされ、ドラムのソロパートを挟み、「ワンツーワンツースリーフォー」の合図で「愛によろしく」が強烈に突き刺さる。

鈴木琳(Gt.Vo.) [Photo by るなこさかい]

この曲の前半、流れるような勢いにピースフルな歌詞を乗せた爽快感がたまらない。クランチのかかった静かなパートに入り、ゆっくり噛み締めるようにフロアから固く握りしめた拳が次々に上がる。少しリバーブのかかった鈴木琳(Gt.Vo.)の歌声が染みる。
後半にはツービートが炸裂。続くショートチューン『アイマイマイマインド』に繋げ、THE KING OF ROOKIEは更に加速する。刹那的と呼ぶにはあまりにも一瞬で過ぎ去ってしまう短い曲だが、この曲の持つ熱は十二分にフロアに伝わっている様だった。

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

「かっこいいでしょルーキー」と自画自賛のMCも挟みながら、高校2年生から始まったTHE KING OF ROOKIEも結成5年目を迎える。フロアには老若男女の姿があり、小学生の女の子までも彼らの音楽に足を運ぶ程だ。
「バンドやっててよかった。嬉しいです。」と感謝を伝え、それに応えるお客さんも常に和気あいあいと笑顔がこぼれ、とても微笑ましい。野次や合いの手からもこのバンドが愛されてるのを心から感じるMCの後、「昔の曲をやろうかな」と『ぱれっと』に続いていく。

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

カウベルがリズミカルに挟み込まれ、裏声の陽気なメロディがまたクセになり、心地いいリズムがすっと飛び込んでくる。『ぱれっと』から『ガラスの降ってくる頃に』へと、2019年リリースのEP「ロマンスラジオから」の曲が続く。鈴木琳(Gt.Vo.)のギターストロークに呼応してフロアも揺れる。一体感と言うよりも、体が段々と反応してしまう楽しさがたまらない。
カッティング混じりのコミカルなメロディの『無理、マジ破裂』に続いても、まだまだ楽しさが伝播していく。リズミカルに突き上げるようなドラムがフロアのパッションをアシストする。「久々の曲やります」と『青空にキスをして』が披露される。優しく包まれるようなベースとギターに水色と黄色の照明が眩しく、ゆったりと爽やかに流れていく。

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

次に「ミックスジュースロケット」を締めくくる『避行少年』に続く。縦に小刻みに揺れるリズムと、横にもノれるゆったりとしたパートが交互に訪れ、このバランスが面白い。いつもの曲よりも少し高いメロディが優しく刺さる様に溶け込んでくる。ギターソロが歌のメロディを追いかけ、曲全体で起こる追憶体験が脳に心地いい。「アイスを買ってだべってさ」の具体的すぎるフレーズが各々の青春を思い出させてくれる。

ワシミリョウ(Ba.) [Photo by るなこさかい]

「本日はお集まり頂きありがとうございます!」と改めて感謝を述べた後、今回のツアーを振り返る。「今回のツアーどうでした?楽しかったねー。楽しかったですねー。30ヶ所!!!ほんとにあっという間。無事故で帰ってこれました、地理の勉強になったね。直接言ったから頭良くなったね。」とルーキーらしさが垣間見えるユルいMCも魅力的だ。
今回のミニアルバムのタイトルソングでもある「ミックスジュースロケット」で再びフロアを揺らしつつ、『ゆびをならす』ではしっとりとシンガロングが巻き起こる。ゆっくりの曲調に慣れてきたところで、急にギターが歪み、BPMが上がる。最初バラードと思っていた曲が、ラスサビで爆発するのだ。一気にパンクロックに変容し、パワーとエネルギーが塊になって飛んでくる。この緩急がTHE KING OF ROOKIEの生のライブを味わう最大の醍醐味と言えるだろう。

犬人間(Dr.) [Photo by るなこさかい]

勢いそのままに新曲の『愛ばっかうるせぇ』をドロップ。お客さんも初見の曲だが、リズミカルな曲調に手拍子を重ねていく。それだけに留まらず、高ぶる感情と疾走感に身を任せ、おしくらまんじゅうの様にモッシュも発生。抑えきれなくなった熱狂の渦はこの日のライブのピークを迎えに行く。
チューニングタイムの後に「今日すごいね!新潟って安心しちゃうからいっぱい喋っちゃう。」と全国ツアーから帰還した安堵の表情を浮かべた後、「こうやって好きなことやって100年後一瞬だったなと思えるように、短い人生!」と、今まで関わってきたものや人、人生そのものへの感謝や賛美を込めた『短い人生』をハートフルに歌い上げる。

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

そして、「やな思い出とかが蘇ってきて、作りながら悔しくて泣いた曲をやります」と新曲の『世界で僕だけ』を披露。優しいブリッジミュートから、シンバルがフェーダー的に力強く上がっていく。鼓動が早まるようなドキドキ感と寄り添ってくれる優しさが両立した刺激的な曲だ。
鈴木琳(Gt.Vo.)が柵に乗り出して、フロアの表情を確認したあと、もう一度暑苦しさを取り戻すように『ほうき星の夜』が爆発する。この日1番のシンガロングと拳があがる。爆発力に身を任せ、たまらず歓声と共にクラウドサーフも巻き起こる。ここまでで、18曲怒涛の勢いで駆け抜けたライブもそろそろ終盤に差し掛かり、ラストパートの前にMCを挟む。

鈴木琳(Gt.Vo.) [Photo by るなこさかい]

「今日はお集まり頂き本当にありがとうございます。ツアー30ヶ所いろんな所を回ってきたんですが、全国を回って、路上ライブもして、『あの日のライブ見ました!』とか言ってくれる人がいっぱいいて。SNSがバズるとかじゃなくて、俺たちの演奏を生で味わってくれて、ライブに来てくれる人が沢山いて本当に嬉しいです。」
「自分の中にある最悪も最高もポジティブもネガティブも全てを愛して、誤魔化してもいいから強くなろうというのがあって、自分の苦しみなんて誰にも分かってもらえなくて。分かってくれるって勘違いできる人がいるから、ちょっと楽になったりするわけで、わかってもらえない苦しみがあるけど、自分だけは大切にしてあげ下さい。いつしかやりたい事をやって、無数にある選択の中から今の自分があるように、まだまだバンドやり続けて、いっぱい皆さんのことを笑顔にしようと思います。」と鈴木琳(Gt.Vo.)から語られ、最終章に向けてキラーチューンが続く。

鈴木琳(Gt.Vo.) [Photo by るなこさかい]

ラストスパート1曲目『贅沢な毎日』を噛み締めるように大事に大事に歌い上げる。スローテンポの前半部分後に、少し息を整えて、「愛してるぜー!」の合図から爆発的なサビに突入する。「たったらーたったったらー」の軽快なメロディでピースフルに締める。
ラストスパート2曲目「ぎゅーっと抱きしめてね」の歌詞が頭からこびりついて離れない『This is LOVE SONG』へと続く。この曲のシンガロングは特に圧巻の一言。歌詞が分かりやすく、印象的なことに加え、曲が愛されてる、紡がれているのがよく分かる。犬人間(Dr.)のカウベルがコミカルに差し込まれ、ワシミ(Ba.)のベースソロパートもしっかりまとめあげ、鈴木琳(Gt.Vo.)はダイブしながらも、単音ミスなくギターソロを奏で終え、「ありがとうございましたー!最後の曲です。」
The king of rookie ツアーファイナル 新潟バンド ライブレポート

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

ジャーーンと開放弦を鳴らし、再び強烈なストロボに包まれ「ワンツーワンツースリーフォー」の合図で『THE KING OF ROOKIE』が始まる。「ザキングオブ!ルーキー!」は息ぴったりの完全シンガロング。フロアのテンションは最高潮を迎え、一人一人にありがとうと感謝を伝えながら、ライブ本編が終了する。

犬人間(Dr.) [Photo by るなこさかい]

直ぐにアンコールの拍手と「ワンモーー」の声が彼らを呼び戻す。ワシミ(Ba.)がアンコールの拍手に答えながらコミカルに踊りながら再登場。「ありがとうございました!THE KING OF ROOKIEでした!サンキュー!最後まで楽しんでいこーぜー!」とアンコールに突入。『月に感謝して君見えたら』が再び熱狂の嵐を生む。モッシュダイブなんでもアリのハチャメチャ空間がパンクロック冥利に尽きる。
伝説のショートチューン『アイマイマイマインド』を3連続で披露。まだまだ熱は収まらず、ダブルアンコールに突入。『This is LOVE SONG』のシンガロングは、本編1回目の声量を遥かに上回っていた。フロアもバンドも疲れを見せるどころか、限界突破までブチアゲ、THE KING OF ROOKIEのライブは熱狂のまま幕を閉じた。

THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]

この駆け抜ける疾走感と力強さ、不器用なほど真っ直ぐな歌詞と抜群のメロディは、THE KING OF ROOKIEのライブでしか味わえない。2時間弱にも渡るワンマンライブがあっという間に感じるほどの濃密な時間を見せてくれたTHE KING OF ROOKIE。これからも新潟だけではなく、全国で羽ばたく彼らから目が離せない。

文:本田達也(TeNYテレビ新潟)

Setlist

01. 愛とディスタンス
02. 聴こえないほどのラブソング
03. ロマンスラジオ
04. ロックンロールに騙されて
05. 目玉パチンコ
06. 愛によろしく
07. アイマイマイマインド
08. ぱれっと
09. ガラスの降ってくる頃に
10. 無理、マジ破裂
11. 青空にキスをして
12. 避行少年
13. ミックスジュースロケット
14. ゆびをならす
15. 愛ばっかうるせぇ(新曲)
16. 短い人生
17. 世界で僕だけ(新曲)
18. ほうき星の夜
19. 贅沢な毎日
20. This is LOVE SONG
21. THE KING OF ROOKIE

アンコール
22. 月に反射して君見えたら
23. アイマイマイマインド
24. アイマイマイマインド
25. アイマイマイマインド

ダブルアンコール
26. This is LOVE SONG

LINKS

THE KING OF ROOKIE - 愛とディスタンス

Live Announcement

9/15(金) 新宿 レッドクロス
9/16(土) TOKYO CALLING 2023
10/6(金) 名古屋 R.A.D
10/13(金) 新潟 CLUB RIVERST
10/17(火) 広島 almighty
10/31(火) 下北沢 THREE
11/5(日) 古町 風のリズム 2023
12/2(土) 下北沢にて'23

※詳細は上記公式X(Twitter)、HPをご覧ください。

GOLDEN PIGS

■会場
GOLDEN PIGS BLACK STAGE

■住所
新潟市中央区 東堀通6番町1051-1 G.Eビル 6階

■電話番号
025-201-9981

■ホームページ
http://www.goldenpigs.com/


※各種情報は取材時のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認下さい。

過去のライブレポート

70 件
〈 1 / 1 〉

RANKING 人気記事

ランキングをもっと見る

カテゴリから探す