平均年齢22歳の勢いしかない新潟バンドTHE KING OF ROOKIE(以下ルーキー)。全国のライブハウスイベント、サーキットフェスに引っ張りだこのルーキーは、自主企画や路上ライブなど勢力的に活動の幅を広げており、TENDOUJIやサバシスターなど、実力派ツアーバンドのサポートアクトを務めることも珍しくない。そんな彼らの真っ直ぐでキャッチーな3ピース青春パンクに心打たれる人が急増している。
THE KING OF ROOKIE【愛とディスタンス】(Official Music Video)
THE KING OF ROOKIEのNewミニアルバム『ミックスジュースロケット』のリリースを記念した『愛も悲観も混ぜ飛ばすツアー2023』で30ヶ所以上を全国各地を飛び回っていた彼ら。そのツアーファイナル新潟公演をレポートする。
LIVE REPORT
「まだまだお客さんいらっしゃいますので、前の方に詰めてお待ちください〜」とのアナウンスと共に、お客さんで溢れかえった古町のライブハウスGOLDEN PIGS BLACK STAGE。白いバックドロップがフロアに飾られ、ワンマンならではの独特な雰囲気のまま開演時間を迎える。
19時9分BGMの音量が少しずつ上がっていき、客電が暗転。彼らのセルフタイトルテーマソング『THE KING OF ROOKIE』をSEに合わせメンバーが登場する。(ワンマンなのにいつものOpening SEの入っているCDを犬人間が忘れてきたらしい笑) 赤い照明に照らされたいつもの3人組は、多くの拍手と歓声に迎えられる。
今回のミニアルバムのタイトルソングでもある「ミックスジュースロケット」で再びフロアを揺らしつつ、『ゆびをならす』ではしっとりとシンガロングが巻き起こる。ゆっくりの曲調に慣れてきたところで、急にギターが歪み、BPMが上がる。最初バラードと思っていた曲が、ラスサビで爆発するのだ。一気にパンクロックに変容し、パワーとエネルギーが塊になって飛んでくる。この緩急がTHE KING OF ROOKIEの生のライブを味わう最大の醍醐味と言えるだろう。
ラストスパート2曲目「ぎゅーっと抱きしめてね」の歌詞が頭からこびりついて離れない『This is LOVE SONG』へと続く。この曲のシンガロングは特に圧巻の一言。歌詞が分かりやすく、印象的なことに加え、曲が愛されてる、紡がれているのがよく分かる。犬人間(Dr.)のカウベルがコミカルに差し込まれ、ワシミ(Ba.)のベースソロパートもしっかりまとめあげ、鈴木琳(Gt.Vo.)はダイブしながらも、単音ミスなくギターソロを奏で終え、「ありがとうございましたー!最後の曲です。」
THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]
ジャーーンと開放弦を鳴らし、再び強烈なストロボに包まれ「ワンツーワンツースリーフォー」の合図で『THE KING OF ROOKIE』が始まる。「ザキングオブ!ルーキー!」は息ぴったりの完全シンガロング。フロアのテンションは最高潮を迎え、一人一人にありがとうと感謝を伝えながら、ライブ本編が終了する。
犬人間(Dr.) [Photo by るなこさかい]
直ぐにアンコールの拍手と「ワンモーー」の声が彼らを呼び戻す。ワシミ(Ba.)がアンコールの拍手に答えながらコミカルに踊りながら再登場。「ありがとうございました!THE KING OF ROOKIEでした!サンキュー!最後まで楽しんでいこーぜー!」とアンコールに突入。『月に感謝して君見えたら』が再び熱狂の嵐を生む。モッシュダイブなんでもアリのハチャメチャ空間がパンクロック冥利に尽きる。
伝説のショートチューン『アイマイマイマインド』を3連続で披露。まだまだ熱は収まらず、ダブルアンコールに突入。『This is LOVE SONG』のシンガロングは、本編1回目の声量を遥かに上回っていた。フロアもバンドも疲れを見せるどころか、限界突破までブチアゲ、THE KING OF ROOKIEのライブは熱狂のまま幕を閉じた。
THE KING OF ROOKIE [Photo by るなこさかい]
この駆け抜ける疾走感と力強さ、不器用なほど真っ直ぐな歌詞と抜群のメロディは、THE KING OF ROOKIEのライブでしか味わえない。2時間弱にも渡るワンマンライブがあっという間に感じるほどの濃密な時間を見せてくれたTHE KING OF ROOKIE。これからも新潟だけではなく、全国で羽ばたく彼らから目が離せない。
文:本田達也(TeNYテレビ新潟)
Setlist
01. 愛とディスタンス 02. 聴こえないほどのラブソング 03. ロマンスラジオ 04. ロックンロールに騙されて 05. 目玉パチンコ 06. 愛によろしく 07. アイマイマイマインド 08. ぱれっと 09. ガラスの降ってくる頃に 10. 無理、マジ破裂 11. 青空にキスをして 12. 避行少年 13. ミックスジュースロケット 14. ゆびをならす 15. 愛ばっかうるせぇ(新曲) 16. 短い人生 17. 世界で僕だけ(新曲) 18. ほうき星の夜 19. 贅沢な毎日 20. This is LOVE SONG 21. THE KING OF ROOKIE