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【ライブレポート】a crowd of rebellion × Invert Hourglass 新潟バンド遂に衝突!伝説の一夜

イベント

2023.07.03

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a crowd of rebellion ALVA : ONE MAN TOUR 2023 - EXTRA SHOW - の東京公演が6月10日(土)町田CLASSIXにて行われた。新潟の後輩バンドInvert HourglassをOpening Actに迎え、大盛況を収めたこの公演をレポートする。

メンバー全員新潟出身バンド

a crowd of rebellion(以下リベリオン)のNewミニアルバム『ALVA』を引っさげてのツアー追加公演。新潟を皮切りに全国7ヶ所を回るツアー前半は、全てリベリオン1バンドのみでのライブだったが、今回は新潟の注目若手バンドInvert Hourglass(以下インバート)をOpening Actに迎えた対バンライブ。

Invert Hourglass - Curse of my hands (Official Music Video)

2バンドともメンバー全員が新潟出身であり、中には新潟大学の先輩後輩に当たるメンバーもいる。リベリオンは新潟を象徴するお米「コシヒカリ」と彼らの音楽ジャンル「スクリーモ」をかけ合わせた「コシヒカリーモ」と形容されていたこともあるほどだ。

a crowd of rebellion / ALVA [Official Music Video]

Invert Hourglassは、先日自身初となるEP『Leaving. And Beginning』をリリースし、そのレコ発ライブを新潟CLUB RIVERSTで開催。フロアを満杯にし、熱狂を生んだライブから約1ヶ月。彼らの初対バンの舞台が地元新潟ではなく、東京というのも先輩リベリオンの粋な計らいであろうか。対するインバートも新潟の大先輩と、大都市東京に飲まれるほどやわではい。むしろ先輩を越える気概のまま、臨戦態勢でライブに望む。
町田クラシックス

Invert Hourglass / LIVE REPORT

町田駅から徒歩1分 ハイストーンビル地下1階。今回の会場は2018年にOPENしたライブハウス 『町田CLASSIX』。新築のような新しい壁の匂いと静かに回るミラーボールから独特の雰囲気を感じる。

18:00 定刻通りにスクリーンが上がり、暗転。今夜のオープニングアクト Invert Hourglassのライブが「Nir」からスタートした。
kawase

川瀬洋輔(Dr.) [Photo by @musicmagic3923]

板付きの川瀬洋輔(Dr.)に続き、Suguru(Gt.)、koma(Ba.)、Neo(Gt.)の順にステージに登場。不気味なSEの中その時を待つ。竿隊のハウリング音が徐々に上がっていき、川瀬のドラムを合図に楽器隊が轟音を奏で始める。その奏でられた爆音サウンドが本物だと理解するのに、時間はかからなかった。風の音の様な一瞬の静寂の後、満を持してYuki(Vo.)が登場。1音目から強烈なシャウトをぶつけてくる。その音は凄まじく、声の大きさ、歪みの粒感、ボーカルとしての素質も然ることながら、長髪やスタイルも相まって現在21歳とは思えぬカリスマ性を1曲目の1音目から知らしめていく。

Yuki(Vo.)の『始めようか!』の一言から滑らかに「Berserker」に続く。日本訳 “狂戦士”。この曲の狂暴性からも、パフォーマンスの力強さからも赤い照明がよく似合う。リベリオンのTシャツを着て最初は腕組みをしていた初見のお客さんも、彼らのパフォーマンスに心を振るわされ、気づくと歓声や拍手を惜しみなく返していた。
入澤

Yuki Irisawa(Vo.) [Photo by @musicmagic3923]

続いてスローテンポなvocalから始まったのは「Nothing is Permanent」。ゆっくりだか確実に揺さぶりにかける前半部分から、徐々にBPMが上がり、爽快なツービートへと繋がる。川瀬(Dr.)のドコドコと駆け抜けるツインペダルが何とも心地いい。koma(Ba.)がYuki(Vo.)とはまた違った地声混じりのシャウトを披露した後、歪んだノイズ音とともにピットも拓き、熱狂の渦はさらに大きくなっていく。

続いて、透明感のある女性コーラス、壮大な世界観が特徴の「End of the Spiral」。ツービートパートではサークルピットも発生し、インバートはフロアの空気を完全に掌握し始めていた。そのまま音源未発表の新曲へと続く。サイコなエレクトロサウンドが入り、インバートの新しい一面が垣間見えるこの曲では、Neo(Gt.)の器用なタッピング奏法が披露され、縦ノリのジャンプにフロアが揺れる。
NEO

Neo(Gt.) [Photo by @musicmagic3923]

Invert Hourglass

Invert Hourglass [Photo by @musicmagic3923]

続くLeavingでYuki(Vo.)からリベリオンとシーンへの思いが語られる。『こんな景色が見れて嬉しい。ありがとう。でも、これからはリベリオンのいる新潟じゃなくて、インバートのいる新潟って言わせてやるよ! 十何年も第一線で走ってる大きな存在をぶち破って、超えていく。それがヘビーミュージックシーンのカルチャーってもんだろ?』

パフォーマンスだけではない、インバートの強い思いも共にフロア全員の心に刻み込まれただろう。リベリオンからインバートへ時代が続いてきたように、これからの世代への期待も伝え、繋いでいく、紡いでいくMCのあとインバート最後の曲「Curse of my hands」へと続く。
Suguru

Suguru (Gt.) [Photo by @musicmagic3923]

koma

koma(Ba.) [Photo by @musicmagic3923]

川瀬(Dr.)のスネアがフェーダー的に上がっていき、その強弱に鳥肌が立つのも束の間。強烈なベースドロップがフロアの空気を再び圧倒する。サビではこれまでで1番多くの拳がステージに向けられる。

突き抜けるようなスネアの音で、緊張感のある張り詰めた空気からの強烈なブレイク。緊張と緩和が音楽で繰り広げられる。その力強さと感情が乗った一打一打の音は、Invert Hourglassが強固なヘビーミュージックシーンの歴史に食らいついていく、破っていく、壊していく音にも捉えることができた。インバートがリベリオンを超え、時代を背負って立つ時代も来るかもしれない。そう思わせてくれるライブだったことは間違いない。

Invert Hourglass [Photo by @musicmagic3923]

だが、そんな後輩の勢いをすべて持っていったのが、今年でバンド結成16年。新潟からヘビーミュージックシーンの第一線を走り続けるa crowd of rebellionだ。直近では4月に幕張メッセで行われたKNOTFEST JAPANに登場。7月には10-FEET主催の京都大作戦にも出演。Zepp規模での自主企画も度々開催するなど、新潟に留まることない活躍を魅せ続けてくれる彼ら。

a crowd of rebellion / LIVE REPORT

インバートのライブが終わり、転換中も入口からはみ出すほど人で埋め尽くされた町田CLASSIX。サウンドチェックを挟み19:00ちょうどに暗転。 a crowd of rebellionのライブがスタートする。

激しく、だがキメが完璧に合わせられた照明とともに登場するメンバー達。フロアも全力のハンドクラップで迎える。SEから1曲目 今回のアルバムタイトル曲「ALVA」がドロップされる。軽快で跳ね上がるリフから、『楽しんでいけよー!ALVAツアー後半戦こっから始まりますよろしくー!』と満面の笑みで告げたのはタンクトップ姿の宮田大作(Vo.)。ライブを全力で楽しんでいる、楽しませようとする姿が微笑ましい。
宮田大作

宮田大作(Vo.) [Photo by @musicmagic3923]

リベリオン最大の特徴である両極端のツインボーカルスタイルが1曲目から炸裂する。小林亮輔(Gt.Vo.)のメロディアスなハイトーンボイス。宮田大作(Vo.)の歪みの効いた、パワー全開の力強いシャウト。この2人のリードボーカルが掛け合う化学反応が町田のフロアに染み渡る。もちろんそれだけではない。轟音の中で埋もれることなく突き刺さるギターを奏でる丸山漠(Gt.)、力強くかつテクニカルに笑顔で縦を刻む近藤岳(Dr.)、下からどっと支え、攻撃的なサウンドもこなす中尾佳介(Ba.)。この5人の個性が、激しい展開の中でも絶妙なバランスで噛み合って奏でられる生のサウンドは何度聴いてもくらってしまう。
小林

小林亮輔(Gt.Vo.) [Photo by @musicmagic3923]

ピアノやストリングスの同期サウンドも織り交ぜられ、遊び心や自由度が高いのにも関わらず、ごちゃっとせず、まとまっている。各曲の完成度の高さから、リベリオンサウンドがスっと脳と体に染み込んでくる。『旅路の果てに五つの大輪が花を咲かすんだ』という歌詞も相まって、メンバーの正式加入、喉の手術、ツアーの後半戦開幕、新潟の後輩バンドと初対バン、あらゆる再スタートが込められた「ALVA」から「Lightning-Syndrome」へと繋がる。
丸山漠

丸山漠(Gt.) [Photo by @musicmagic3923]

まるでガトリングガンのようなツインペダルフレーズを笑顔で叩きこなす近藤岳(Dr.)にも驚きだが、高速ギターリフを鋭く突き刺す丸山漠(Gt.)、柵に乗り出しながらもブリブリのベースを引き倒す中尾佳介(Ba.)。このバンドは紛れもなく超人集団なのだと再確認させられる。Djentチックなブレイクダウンが響き渡った後、リベリオンの代表曲とも言える「M1917」に繋がる。待ってました!と言わんばかりに笑顔がこぼれ、ほとんどの人がリフを口ずさむ。

インバートのメンバーも学生時代にこの曲を聴き、衝撃を受けたことは間違いない。そうした日本全国のリベリオンキッズ達が、今はこうしてバンドを初め、成長し、対バンライブをするまでになったことは、ラウドシーンの歴史的1ページに深く刻まれるだろう。
りべ

a crowd of rebellion [Photo by @musicmagic3923]

印象的なギターリフから、ドラムとベースが加わりダンサブルかつ鋭く刻むビートで心臓を奮わされる。それほど圧倒的な期待感と曲の持つ力がフロアを更に沸点へと連れていってくれる。サビに入る直前のシンガロングは圧巻の一言だった。

鳴り止まない歓声で暖かい雰囲気の中、宮田から『おれ達が新潟から来た a crowd of rebellionです。ALVAツアーEXTRA SHOW始まりましたよー!インバートからめちゃくちゃ人いてくれて、アイツらも楽しいって言ってました。怪我ないようにみんなで幸せな空間を作っていきましょー!よろしくおねがいします!』と挨拶があり、野太い男の掛け声が特徴的な「BLACK ANTHEM」へと続く。
中尾佳介

中尾佳介(Ba.) [Photo by @musicmagic3923]

近藤

近藤岳(Dr.) [Photo by @musicmagic3923]

メロディアスかつ、バウンスするような小林亮輔(Gt.Vo.)のクリーンボイスの耳残りが抜群に良い。熱狂のあまりバランスを崩してしまう人もいたが、そこはライブハウス『素晴らしい助け合いだ!それこそが我らが愛するライブミュージック!』お客さん同士の助け合いで、宮田も気兼ねなくパフォーマンスに集中出来るようだ。

ザクザクのリフに合わせてフロアが揺れ、緑の照明に包まれながら、中尾(Ba.)の強烈なスラップが飛び出した「無罪者」。今回のミニアルバム『ALVA』から2曲「Never Escape Time」、「TFTL」へと流れる。宮田(Vo.)のエグるようなグロウル。地声混じり、Hiが冴え渡ったシャウトなど、レンジが広く多彩になんでもこなす器用さと力強さには驚かされる。歪みの粒感も細かいものから、荒いものまで繊細な使い分けには脱帽せざるを得ない。
ライブハウス

a crowd of rebellion [Photo by @musicmagic3923]

マイクを通さず宮田の口から、同郷の同士、そしてインバートについて語られる。『インバートが大好きなんで、インバートの話いっぱいさせてください!16年間バンドやってて、お!初めて同じ匂いがするバンドがいると思ったのがKEEP YOUR HANDs OFF MY GIRL でした。もうKEEPは(2019年に)解散してしまって。そこから少し空いて、ぽっかり穴が空いたような感じでやってました。ずっと一緒に切磋琢磨してやってきたバンドが解散しちゃった。勝手にひとりぼっちな気分だったおれを満面の笑みにしてくれたのがインバートです。ぽっかり空いた穴を塗りつぶしてくれるような、ニコってしちゃうような、来たぜーーって思った、それくらい勢いがあるバンド。これからもインバートを沢山応援してやってください。新潟のバンドで県外で一緒にやりたいって誘ったのはキープとインバートだけです。一緒にこれからも新潟盛り上げていきましょう。ぽっかり空いた穴を埋めてくれるような曲「Traffic Light」』
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a crowd of rebellion [Photo by @musicmagic3923]

宮田大作(Vo.)のクリーンボーカルをメインにした数少ない曲で、感謝と切なさをじっくり噛み締める中に、新しさも滲み出る。続く「Room Key」でもしっとりとしたバラードが続く。時折のノイズにストロボが噛み合い、宮田(Vo.)がキーボードも担当し、この曲の世界観の大きさを感じる瞬間だった。
ドラムソロ

近藤岳(Dr.) [Photo by @musicmagic3923]

一旦竿を下ろし、袖に消えるメンバー達。近藤岳(Dr.)だけをステージに残し、白いムービングライトが彼を照らす。ここでドラムソロに突入する。タムとキックを中心に壮大で太く低い音から、徐々に音数が増え始める。スネアの音も丁寧に強弱がつけられ、ツインペダルが気持ちよく決め込まれている。クラッシュシンバルとともにリズミカルに込み上げてくるドラムが、骨まで震わされるようだった。だんだんスピードアップし、フロアもそれにハンドクラップで応える。力強いツインペダルが強烈に突き刺さり、ドラムというひとつの楽器のみで、ここまで入り込ませられる、近藤岳(Dr.)の圧巻のドラムソロが終了。その勢いのままハンドクラップとともにメンバーがステージに帰ってくる。『後半戦行きますけども、まだまだ声聞かせてちょうだい!』と宮田の合図にコールアンドレスポンスが始まる。
りべりおん

a crowd of rebellion [Photo by @musicmagic3923]

強烈な咆哮が放たれた「MEI」から生粋のキラーチューン「Ⅱ:a→Ω:Ⅱ(アルファオメガ)」へと続く。可愛らしいギターリフからの破壊。木魚の音も交えながら、和のカオスが香るこの曲では、もう1段ギアが上がったように、お客さんの目が生き生きしていく。その勢いのまま『遠くにいる想い人への曲。』と始まったのが「THE XXV MILLION」。電子音を多用した賑やかさもありながら、どこか切ないラブソングがライブ後半の疲れた体に染みる。

『めちゃくちゃ楽しかったです。ありがとう。後悔のないように今ここで、お前たちに歌います。届けます。どうか最後までこの音を刻んでってください。なんだか今日は名残惜しい。それでも終わる時が来ます。大切にしたい。今このときは一瞬で終わっちゃうから。それでも言わせてください。また会いましょう。ありがとう。ラスト3曲』
みやた

a crowd of rebellion [Photo by @musicmagic3923]

ラストスパートの火蓋を切るのは、切なさの中に、激しさを乗せた「The Crow」。この曲の後半には、Invert Hourglass のYuki(Vo.)が登場。宮田(Vo.)と共に歌う姿は積年の夢が叶った瞬間でもあり、こみ上げてくるものがある。Yuki(Vo.)の日本語シャウトに新鮮味を感じながら、叙情という言葉では言い表せないような感情的なシャウトは強烈で、新しい世代の頼もしさと、世代を超えての共演に心打たれる。
インバート リベリオン

a crowd of rebellion feat.Yuki [Photo by @musicmagic3923]

続く「Satellitear」「O.B.M.A」とちょうど10年前リリースのEP『Zygomycota』からの曲が続く。ウォールオブデス、サークルモッシュ、ツーステップとシンガロング、ハンドウェーブ、クラウドサーフ、ハードコアモッシュなんでもアリなカオスな空間が再び訪れる。宮田大作(Vo.)のマイクから距離を離し、物理的に声を震わせるパフォーマンスも印象的だ。サビではジャンプしながら腕をちぎれんばかりに左右に揺らすハンドウェーブは何度見ても笑顔がこぼれる。そんな凶暴性とピースフルが共存するのも、リベリオンならではの景色だろう。
町田CLASSIX

a crowd of rebellion [Photo by @musicmagic3923]

汗だく熱狂のままステージを後にしたメンバー達。鳴り止まないアンコールに応え、再び板を踏む。エクストラショーに合わせてこの日から発売のMERCHを紹介した後、正真正銘のラスト1曲「Nex:us」が披露される。今日のライブ全てを包括するような壮大さに息を飲むばかりであったが、全パフォーマンス終了後の満足感は日常生活ではとても得難く、尊いものだった。彼ら2バンドがこの先どう進化し、新潟に限らず全国でその名を轟かせるのか。これからもInvert Hourglass、a crowd of rebellion含む新潟のヘビーミュージックシーンを余すことなく注目していきたい。
文:本田達也(TeNYテレビ新潟)

7/8(土)は地元新潟公演! GOLDENPIGS RED

ALVAツアーのEXTRA SHOW 2公演目は、リベリオンの地元“新潟”で行われます。会場はNIIGATA GOLDEN PIGS RED STAGE。古町にあるライブハウスで、この日は CrowsAliveを迎えての対バン公演。見逃し厳禁です。チケットはeplusで販売中!

チケットはこちら↓↓
リベリオン
新潟公演に合わせて、“新潟限定の展示イベント”も開催されます!

GOLDEN PIGSの同じ棟内に位置するPUNK SHOP 「GAINGROUND」に併設されたイベントスペース「GAINGROUND BASE」で、迫力満点のライブ写真などをご覧になれます。最新情報はリベリオンOfficial Twitterをチェックしてください。

Setlist

Invert Hourglass
01. Nir
02. Berserker
03. Nothing is Permanet
04. End of the Spiral
05. 新曲
06. Leaving
07. Curse of my hands


a crowd of rebellion
01. ALVA
02. Lightning-Syndrome
03. M1917
04. BLACK ANTHEM
05. 無罪者
06. Never Escape Time
07. TFTL
08. Traffic Light
09. Room Key
10. MEI
11. Ⅱ:α→Ω:Ⅱ
12. THE XXV MILLION
13. The Crow
14. Satellitear
15. O.B.M.A
En.1. Nex:us

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