ただ、幸いなことに
すでに話が出来上がっている
「さるかに合戦」
ストーリーの大筋は
変える必要がなかったので・・
「新釈・さるかに合戦」の
台本は一晩で完成することができた。
「(よし、これで”いらぬ衝動”からは、なんとか逃れることができそうだ。でも・・)」
しかし
この衝動は決して
”無駄なもの”ではかった。
「(なんか、ひとつ物語を”完成”させたことで、2人芝居の台本も、ラストへ向けての道筋が見えてきた気がする・・・)」
”写経”
という言葉がある。
それは・・・
”書いて身につける”
”書いて体に染み込ませる”
こと。
2人芝居の筆が止まっていた
僕にとっては・・・
この”いらぬ衝動”が偶然
”写経”のような効果を発揮したのだ。
「(なんか、台本・・完成できるかもしれない)」
僕は、「新釈・さるかに合戦」
のページを閉じて・・
気持ち新たに”2人芝居”
の台本の執筆に取り掛かった。