最終稽古が終わったあと
旅劇団の団長さん行きつけのスナックで、
”稽古打ち”が行われた。
(※稽古打ちとは、全ての稽古が終わった後に行われる打ち上げのこと。これから迎える本番に向けての決起会のような意味合いもある)
稽古の開始当初は
みな遠慮気味だったけれど・・・
およそ1ヶ月半ほぼ毎日
稽古で一緒に過ごしていると
自然と打ち解けることができて
この日の夜は、
美味しい料理とお酒を囲んで
みなワイワイと楽しんだ。
稽古当初から一貫として
”怖い印象”だった強爺も・・
無事に稽古が終了したことでの安堵感からか
この日はいつもと違って穏やかな表情に変わり・・
「私の満足のいく仕上がりになった」
とまんざら喜んでいた様子だった。
そんな強爺の言葉を聞いて
僕も少し安心することができた。
だけど・・・
「(これで、良いのだろうか・・・)」
作品のクオリティとしては・・・
きっと側から見れば、
自信を持ってお届けできるもの
に仕上がったのだと思う。
でも・・・
その作品に”主人公”として出ずっぱりに
なっている僕としては、不安でしかなかった。
「(主人公の僕が、しっくり出来ていない状態のままで本当に良いのだろうか・・・?)」