完全ヤンキーは
客席の扉の隙間を指差した。
完全ヤンキー
「チラッとステージ上のセット見えるで~!明後日から、あそこに俺らも立って、舞台の本番迎えるんやで。想像しただけでワクワクが止まらへんな~!」
その隙間から、
ステージ上のセット
そして
仕込みをしてくれている
ヒノウエさんたちの姿が見えた。
カサハラ
「・・・・」
完全ヤンキー
「そっか~、あそこには、ああゆうセットが組まれるんやな~やっぱり実際に見てみないと想像とは違うもんやな~」
カサハラ
「・・・・」
完全ヤンキー
「ん?ケントどうした?」
カサハラ
「・・・いや、なんか・・もういろんな状況を整理できなくて・・・不安で押しつぶされそうです・・・」
完全ヤンキー
「なんや~まだこの状況を楽しめてへんのやな?まぁ、誰でも最初は緊張するもんや。
でもな、そこで”楽しめる”か”潰される”かで、この先、全然変わってくるからな~」
カサハラ
「この先?」
完全ヤンキー
「あぁ、そうや。”役者”を続けていけるのか、続けていけないのか。それが初舞台でハッキリと分かるもんなんや」
カサハラ
「・・そうなんですね」
完全ヤンキー
「これまでも、すぐ辞めてしもた”若い役者希望の子”、ぎょうさん見てきたからな~」
カサハラ
「・・・」
完全ヤンキー
「まぁ、今はそんなに考えすぎひんことやで~!とりあえず、精一杯やってみることや。ネガティブなこと考える暇がないくらいにな~!」
カサハラ
「・・・わかりました。とりあえず、精一杯やれることやてみます・・!」