後日
あれから数日後・・・
僕は、アルバイト先で働いていた。
いつもは遅番ばかりだけど、
午前中に、「いいとも!」の制作スタッフさんが
バイト先に来店されるということで、
その日は珍しく朝からの出勤。
珍しく遅刻せずに出勤。
なにやら、
次週以降の「ショップリ」のオープニングで
歴代のグランプリメンバーの
パネルを用意することになったらしく、
この日は、
そのための撮影をするために
スタッフさんが来店されるとのこと。
そう・・・・
僕はあの日、
「グランプリ」を獲得したのだ。
今思い出しても、
本当に“夢を見ている”かのような1日だった。
朝8時にアルタ前に集合し、
Nさんに言われるがままに
「ショップリ」にエントリー。
一次の書類審査から始まり、
二次面談、リハーサル審査を経て・・・
あれよあれよという間に、
「いいとも!」に出演が決定したと思えば、
本番では、
春日さんに指名され・・・
“グランプリ”を獲得。
放送が終わったあとは、
軽い放心状態のまま
アルタでNさんと別れて
午後の授業にでるために
大学へ向かい・・
授業が終われば、
いつもの校庭のベンチで
いつものように小説を読んで。
暗くなるころに帰宅して、
ご飯を食べて、お風呂に入って、
いつものように就寝。
そんな夢とが現実が
入り混じるかのような不思議な一日だった。
そのあとも、
ふわふわした感覚は続いたまま・・
この日のパネルの撮影で、
スタッフさんにカメラを向けられた時、やっと
「あ、本当にグランプリとれたんだ・・」
と、少しずつ実感がわいてきたのだ。
衝撃の結末
パネル用の撮影が終わり、
スタッフさんがアルタに帰る際、
“Nさん”が撮影現場に駆け付けた。
Nさん
「今回は本当にお世話になりました!」
スタッフさん
「いえいえ、グランプリおめでとうございます。
今日の写真が、次の放送で使われるので、楽しみにしてくださいね」
Nさん
「まぁ!楽しみね~!ケント、ちゃんとカッコよく撮ってもらった?」
僕
「大丈夫だと思います。」
Nさん
「あ、そういえばスタッフさん・・・」
スタッフさん
「はい?」
Nさん
「この間の放送、反響ってどうでした?!
もしかして・・・ケントが出たから、視聴率いつもより高かったりして~笑」
僕もそれは気になっていた。
あの日の放送の反響はどうだったのか・・・
その放送をきっかけに、
タカモンと交わした
”あの日の約束”に向かって
一気に近づけるチャンスなのだから。
スタッフ
「あ~、あの日の放送ですけど・・・」
僕は、固唾を飲んだ。
スタッフさん
「男子フィギュア決勝と被ってて、
他局に視聴率ごっそり持っていかれちゃったんですよ~」
Nさん・僕
「へ・・?!」
なんと・・・
あの日は、
冬季バンクーバーオリンピック
男子フィギュアスケートの決勝。
僕が「ショップリ」でグランプリを獲得している裏では、
高橋大輔選手が日本男子初の銅メダルを獲得し、
日本中が大いに盛り上がっていたのだ。
Nさん
「いいともの裏では、そんな強烈な放送があったのね・・・」
スタッフさん
「まぁ、オリンピックは、しょうがないですよね。
みんなそっち見ちゃいますよ。」
Nさん
「あ、ちなみにケントに関する問い合わせとか、芸能関係者からも届いていないですか?
『あのグランプリを獲ったイケメンは誰!?』 とかぁ~」
スタッフさん
「問い合わせ?いえ、特にないです。」
・
・
・
カサハラ青年の
“夢の実現”までは・・・
まだまだ先は長いようだ。
P.S.
後日、録画した「いいとも!」を見たんですが、
もう自分がガチガチ過ぎて吹き出しました。笑
久本さんから「好きな女の子のタイプは?」と聞かれ、僕が「優しい子とか・・」と無難な返答をしていたら、後ろにいたNさんが「ケント!そこはマチャミでしょ!マチャミ!」とか、随時的確なアドバイスを入れてくれて、会場も大ウケしてました。
あの時はなぜグランプリを獲得できたのかわかりませんでしたが
確実に「Nさん」のおかげですね(笑)
P.S.P.S.
ちなみに放送後、
オードリー春日さんのピンクベストを
グランプリ特典として贈呈されました。
今回までの「いいとも!」シリーズはこれにて完結です!
お付き合いいただき、ありがとうございました☆
次回のコラムは、何の話にするか・・・
また担当の“同級生”と打ち合わせします(笑)
カサハラケント
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カサハラケント (笠原賢人)
1988年5月17日生まれ
新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身
2011年、大学を卒業後、
役者・絵描き・クリエイター活動を開始。
役者としては、
主に舞台(40本以上)やCM等で活動。
絵描き・クリエイターとしては、
個人や企業・行政から依頼多数。
横浜の商業施設でのグッズ販売に、
ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは
自身作成のロゴがメイン採用。
2019年には、
地元新発田市の図書館で個展も開催。
また、2018年からは
新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。
2021年に高校生とともに企画・制作したCMは
「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。
その他にも、
舞台やコントライブの脚本や、
人気バンドユニットの小道具制作など
幅広くクリエイター活動を展開。
将来の夢は、
「新発田で映画を撮る」こと。
そして、全国の人に
「新発田」を「しばた」と
読んでもらえるようになること。