そして、気がつけば・・
初のコメディ舞台も
千秋楽を迎えていた。
これまでの公演は・・
初日同様、
お化けハンターの登場シーンでは
”笑いを生む”ことはできれども・・
説明セリフのシーンでは
相変わらず不安定となり
セリフを噛む回数は
完全にゼロとはならなかった。
「(なんで、こうも上手くできないのか・・)」
公演を重ねるごとに
僕の中では自分自身に対する
怒り、失望のような
感情も生まれ始めていた。
でも・・・
そんなモノは
観にきていただけるお客様には・・
そして
一緒に舞台を作り上げる
キャスト・スタッフの皆さんには・・
全く関係のないこと。
「(これは、自分自身でどうにかしなければならない問題。自分の未熟さ、実力のなさを嘆いている暇はない・・・)」
UPさんの言葉が頭の中で再生される。
『ケントには、このコメディ舞台で、どんどん攻めていってほしい』
今、僕のやることは明確なはずなのだ。
何度も沈みかけながらも、
UPさんのその言葉だけを糧に・・
全力で、汗を流しながら
僕は全公演を駆け抜けた。