きっと、いろんな”経験”を積んで
役者としてレベルアップしていくためには・・
間違いなくこのオファーは
受けた方がいいのだろう。
しかし・・
社長の言葉が頭の中を駆け巡る。
「カサハラは、1年間の役者修行を通して、演技の”腕を落とした”ってことだよ」
「今のカサハラは、変なクセがついて、以前のような”リアル演技”ができていない。下手にうまくやろうとしているし、見ている人を意識している」
今の僕は、少し表現演技をかじったことで
リアル演技にも悪い影響が出始めているという最悪に中途半端な状態。
そんな状態で・・・
コメディ舞台(お笑い)という
”真の究極の表現演技”
に挑戦することは・・・
本当に”良いこと”なのだろうか。
僕は、社長の元で
”究極のリアル演技”について
もっともっと学んでいきたい。
でも、きっと・・・
今回のオファーを受けてしまうと・・
”究極リアル演技”への追究に
弊害が生まれてしまうだろう。
もう、社長にも失望されたくない・・・
カサハラ
「どうしたら・・どうしたら、良いんだろう・・・」
決断しきれないまま・・・
時間だけが刻々と進んでいった。