#オーディション #コラム #ドラマ #フリーター #俳優 #新潟 #新発田市 #養成所
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え?これ何、デジャブ!? 1年前と全く同じじゃない!?




僕は、フザケ半分の妄想からスポンっと頭を切り替えて

目の前の出来事を、ちゃんと注視した。




「え・・・?それって、
またオーディション雑誌ですか?」



Nさん
「そう、最新号よ。」




え、待って待って!
この流れ・・1年前と同じ過ぎない!?



同じカフェ・・

同じ会釈・・

同じ妄想・・・

同じオーディション雑誌・・





これって・・



まさか、
また養成所を勧められる流れ!?





いやいや、もうさすがに
養成所はノーセンキュー!


あの疾風怒涛、百花繚乱、
紆余曲折の日々を過ごすのは・・


1年という限られた時間だったから
なんとか乗り切れたのであって、



2周目は、さすがにノーセンキュー。




「すみません、Nさん。
さすがにもう養成所はノーセンキューです」




Nさん
「違うわよ。ケントこれ、受けてみない?」





「へ?」





Nさんが指差したのは・・・




“深夜ドラマの主役を募る
新人発掘オーディション”



というページだった。





「ド、ドラマ・・?」




Nさん
「そう!これ“新人発掘”のオーディションなの!
どこの芸能事務所にも所属していない一般人しか募集しないから大チャンスよ!」





「え?」




Nさん
「ケントは1年間養成所で演技の勉強したんだから、他の人よりも有利でしょ?
このチャンスは絶対に逃してはならないわ!」






「・・・・」













この時、僕はとても大切なことを忘れていた。






「やべぇ・・Nさんに
“音楽コース”を選んだこと言ってなかった・・・」





僕は1年前の養成所の
特待生オーディションで

当日勝手に「音楽コース」で
オーディションにエントリーしたことを

Nさんに話していなかったのだ。


なので、
今日のこの日までNさんは



僕が「俳優コース」で養成所に
入所したと思い込んでいるのである。





うわぁ・・どうしよう・・・




とは言っても今更
「実は音楽コースにしちゃいました」
とも言えないし・・












Nさん
「どうしたの?」




「そ、そうですね・・・
1年間演技の勉強してきたので、僕もお芝居には自信があります」




レット、イット、ビー

もう、なるがままに。



Nさん
「よし!その意気よ!
じゃあ早速シートに記入しましょう!」




そう言うと、Nさんは
オーディション雑誌からエントリー用紙を切り離し

僕に必要事項を書くよう指示をした。


僕はエントリーシートを書きながら Nさんに“あのこと”を謝ることにした。

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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。