前回までのあらすじ
”いいとも!”出演した後日、
突如、Nさんからの呼び出し。
「なんだろう・・・」
恐る恐る待ち合わせのカフェに向かうと
いつもと様子の違うNさん。
「まさか愛の告白をされるのではないか・・」
そんな破茶滅茶な妄想をよそに、
Nさんが差し出してきたのは、
”オーディション雑誌”。
そして、Nさんが指した先には
「某養成所 特待生オーディション」の文字が・・
「ケント、俳優を目指すために、
この養成所の”俳優コース”で基礎を勉強するのよ」
そうNさんに言われるが、
演技未経験のカサハラ青年はそれに臆してしまい・・・
Nさんの忠告を無視して”音楽コース”で
オーディションを受けることになったが・・・
そこからカサハラ青年の人生は、
大きく狂い始めるのであった。
※「某養成所 特待生オーディション」・・・
このオーディションは、養成所に入所するためのオーディションであり、合格者のみ入所が許される。
また、その中でも素質を認められた者は、”特待生”として、学費を大きく免除される特典を得ることができる。
僕は、「音楽コース」にチェックをいれた
エントリーシートを受付の方に手渡すと、
受付の方
「では、このシートをもって
奥の控室でオーディション開始まで少々お待ちください。」
と、控室へ案内された。
“いいとも!”の時は、
すぐ横でNさんがサポートしてくれたけど・・・
今日は僕ひとり。
『今回のオーディションは、完全に自分次第・・。
どんな結果になっても何も言い訳はできない。』
そう思うと、
控室に向かう足取りも、とても重く感じる。
この日の結果が今後の人生を左右するという
プレッシャーを全身で感じているようだった。
応援してくれるNさんの想い・・
そして、タカモンとあの日交わした約束を果たすため・・
僕は、拳をグッと握り、
控室の前までやってきた。すると