僕はあの日Nさんに紹介された
”某芸能養成所”の、
オーディション会場に向かっていた。
道中、電車の車内で
僕は足がガクガクに震えていた。
「ついに今日、
夢に向けて歩き出すのか・・」
そう思うと、
凄まじい緊張と希望で
気が狂いそうだった。
しかし、依然として
大きな懸念はぬぐえない。
「果たして、
演技審査で本当に大丈夫なのだろうか・・・」
いくら、Nさんが
「素質を見極められるから大丈夫」
とは言えど・・・
一度も演技経験がない僕としては
不安で仕方がない。
だって演技審査が全然ダメだったら
「素質なし」の烙印を押されて
そこで終了してしまうのだから・・・
どうしよう・・・どうしよう・・・
そんなこんなしているうちに
遂にオーディション会場に到着。
受付でエントリーシートを渡される。
そこには・・・
”希望するコースに〇つけてください”
1.俳優コース(演技審査)
2.タレントコース(演技審査)
3.音楽コース(歌唱審査)
と・・・・
そう、ここが
最後の決断の時。
この選択次第で、
僕の人生は大きく変わることになる・・・
僕
「どうする・・・?!
どうする俺・・・!!!」
・
・
・
・
僕
「エントリーシート書きました。
宜しくお願いします。」
受付さん
「はい、カサハラケントさんですね。
希望コースは・・・・・
“音楽コース”ですね。
間違いありませんか?」
僕
「はい、“音楽コース”でお願いします。」
僕の運命は、この瞬間・・・
つづく・・・
P.S.
今思い返してもなぜあの時、”俳優コース”ではなく””音楽コース”のオーディションを選んでしまったのか・・
良くも悪くも、あの選択が僕の運命を変えたといっても過言ではありません(笑)
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