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第1弾「あの動物が来るの?」|【R20ここだけの話】気になる日本酒、語らせて

【R20ここだけの話】~気になる日本酒、語らせて~

2022.06.20

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知る人ぞ知る新潟の銘酒について、日本酒翻訳家が独断で選び、酒蔵の方を巻き込んで語るコーナー。 豪雪のまち津南町にある、津南醸造の『つなん』シリーズについてお送りします。 ラベルに描かれている動物はいったい何者?

『R20ここだけの話』とは

初めまして。 ぬる燗好きのぬること申します。
少し前まで小さな商社で海外向けに日本酒の翻訳をしていました。
そこでずっとモヤモヤしていたことがあります。

『美味しいのに、あまり知られてない銘酒、多くない?』

という気持ちが根底にあり、
新潟の知る人ぞ知る銘酒を、日本酒翻訳家が独断でお伝えするコーナー
『R20ここだけの話 気になる日本酒語らせて』
ができました。

法定成人年齢が18歳に引き下げられましたが、
お酒は20歳からのままです。 R20ですよ!

ではさっそく、おすすめの日本酒第1弾、
【 津南醸造の『つなん』シリーズ 】について語ります♪

ここに描かれている動物はいったい何者?

「つなん」ってあの豪雪の津南?
ここに描かれている動物はいったい…
と思っていたらこの動物と目が合って、ジャケット買いしました。

純米酒の「黄金」
炊きたてごはんのような、甘香ばしい香りもグッとくるのですが、
このお酒、口当たりが柔らかい

おちょこに口付けた瞬間に流れ込んでくるくらいの滑らかさ。
華やかな辛口だけど、ブドウのような甘みや渋みがほんのりとします。
後味の余韻も程よく、飲み飽きない(ので、ダラダラ飲めちゃいます)。

もう、これは語りたい!
というわけで津南醸造さんへ『つなん』シリーズのこと聞いてきました♪

津南醸造

津南駅から国道405号線を8kmほど登ったところ、秋山郷の看板の手前にあります。
森の中にある酒蔵ということもあり、野鳥の鳴き声や葉擦れの音、木々の爽やかな緑も心地よく感じられます。

ぬるこ:津南醸造の島田さん(以下敬称略)に『つなん』シリーズについてお聞きします。
このラベルに描かれている生き物は何ですか?

島田 :ニホンカモシカです。 特に新芽の出る春先はよく遊びに来るんですよ。

ぬるこ:え、ニホンカモシカって、国の特別天然記念物にも指定されている動物ですよね? 遊びに来るんですか?もっと警戒心の強い生き物かと思っていました。

島田 :ちょっかい出したら逃げられてしまうかもしれませんが、目が合うくらいだったら全く動じません。 人慣れしてますね。

ぬるこ:意外です。 だからラベルにニホンカモシカが描かれているんですね。

島田 :あと、よく見ていただくとこのニホンカモシカ、「津南」の文字を崩して書かれています。

ぬるこ:え…南は分かりましたが…あ、顔の半分が「シ(さんずい)」で、左半身が残りの部分ですね!

島田 :デザインは画家であり絵師をされている、OZ-尾頭-山口佳祐(オズ-ヤマグチケイスケ)さんに描いていただきました。

ぬるこ:私、このニホンカモシカと目が合ってジャケット買いしました笑。

上品な仕上がりの日本酒ですが、その秘密は?

ぬるこ:衝動買いして正解だったと思っています。 味や質感がとても上品だと思いました。

島田 :『つなん』シリーズは2021年12月から販売しているのですが、中身は昔から造っている『霧の塔』。 1996年の蔵設立当初からある銘柄です。

ぬるこ:昔から造られていたのに気がつかなかったです。 悔しい。

島田 :『霧の塔』は苗場山系にある山なのですが、ほかの地域の方々からは覚えにくい銘柄だったのかもしれません。 ほかの地域の方々へ「津南」の知名度を上げたいと思い、「つなん」という名前へ変更しました。

ぬるこ:そうだったのですね。

島田 :この蔵は「地元の五百万石(酒米)を使って日本酒を造ってほしい」、という農家の方の想いから、JA津南町、津南町から協力してもらい1996年に建てられました。 昼夜の寒暖差があるおかげで、津南産の五百万石は粒も芯白も大きく、良質な酒米と言われています。

ぬるこ:あの味の奥深さ、津南産の五百万石は別格な気がします。

島田 :使っている仕込み水も名水百選に選ばれる超軟水の名水です。 口当たりの良さはもちろん、津南産五百万石の味も引き出してくれます。
津南醸造の一角。竜の口から湧水が流れています。

「つなん」で津南の銘酒を広めたい

ぬるこ:実は「つなん」のほかにどんなお酒があるのか気になっていくつか飲んでみました。 常温で米の旨味や酸味が豊かに出る、昔ながらの辛口の銘柄もいくつかありますね。

島田 :昔ながらの銘柄を造りながら、若い世代に手に取ってもらえるような、新しい銘柄や商品開発を行っています。

ぬるこ:100mlパウチの日本酒『Go Pocket』は便利ですね。 冷凍して保冷剤の代わりにBBQの食材と一緒に持っていけたおかげでゴミも少なく済みました。

島田 :津南産の五百万石を作る農家さんが減少しています。 「つなん」を通して、津南産の五百万石の需要を高めたいですね。 豪雪の津南というイメージがあるかと思いますが、「つなん」というニホンカモシカのお酒の町、五百万石の町としても津南の知名度をあげたいです。

ぬるこ:豊かな自然で育った津南産五百万石の味、多くの方に味わっていただきたいです。本日はありがとうございました!

ニホンカモシカも認める、豊かで清らかな環境。 津南。
森と共存しながら醸される津南醸造の『つなん』。

津南醸造が気になった方はこちらもチェック
【津南醸造Twitter】
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ぬる燗好きのぬるこ
皆さま、言霊って信じますか? 私は文芸部の友人から「温ちゃんの『温』って、ぬる燗の『ぬる』なんだね。明日から『ぬるこ』って呼ぶね!」 と言われ、(20歳超えてから)日本酒が好きになり、好きが高じて、気づいたら商社で日本酒の翻訳を担当していました。 新潟の日本酒について語り、皆さまに「このお酒飲んでみたい」と思われるような記事をお届けします。

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