上越警察署は23日、市内に住む70代の女性から特殊詐欺(オレオレ詐欺)の被害届を受理したと発表しました。
被害額は1億2930万円でオレオレ詐欺の被害額としては2011年以降で県内では最大となります。
警察によりますと、今年1月28日の昼頃、「今後、この電話は使用できなくなります」などという音声ガイダンスのあと、若い男の声で「知らないところで電話が犯罪に使われていることが多い」と言われ、上野警察署の刑事を名乗る男に取りつがれました。
女性が案内された番号にかけると、「上野警察署の刑事」を名乗る男に繋がり、「何か隠していることはないか」「上野の銀行であなた名義の口座を買ったと言っている者がいる」「あなたは巻き込まれただけかも知れないが、証拠があるのであなたは重要参考人になります」などと言われました。
女性が“上野警察署に行く”と伝えると、刑事を名乗る男は「これは特殊な事件で警察や銀行員、いろんな人が関係している。さらに極秘で内密に捜査が行われている」などと言い、メッセージアプリのインストールと定時連絡を指示されました。
その後、女性のもとに「検察官」を名乗る男から電話があり、「事件解決するまでの間、あなたの全財産の口座が凍結されることが決まりました」「お金を仮装通貨にすると、番号が付いてあなたのお金が犯罪に関与しているかを判断する。番号をひとつひとつ調べて何も無かったらあなたのところに戻します」などと言われ、2月25日から3月17日までの間に22回にわたり、合計1億2930万円をインターネットバンキングで指定した口座に送金したということです。
その後、検察官を名乗る男から「預けたお金を返金してほしいのであれば、保釈金として事前調査と同じ金額を払って下さい」などと言われたことから家族に相談し、警察に通報しました。
警察が特殊詐欺事件として捜査しています。