柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、その是非を問う県民投票について審議する県議会の臨時会が4月16日から始まりました。14万筆以上の署名を集めた市民団体はあらためて県民投票の重要性を強調した一方、花角知事は「二者択一の投票では県民の多様な意見を把握できない」と繰り返しました。
午後1時から始まった県議会の臨時会。審議されるのは柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案について。その行方を見届けようと230人以上が傍聴席に座りました。
市民団体が14万3000人を超える署名を集めて知事に直接請求した県民投票条例案。16日はメンバー8人も意見陳述を行いました。
〈県民投票で決める会 世話人 水内基成さん〉
「福島第一原発事故からすでに14年です。再稼働の判断は近々に求められています。現状での再稼働にイエスかノーか、これを正面から県民に問うべきではありませんか」
花角知事はすでに条例案に対して自らの意見をつけて議会に提出しています。
意見書では請求を「大変重く受け止める」とした一方、「賛成または反対の二者択一の選択肢では県民の多様な意見を把握できない」などと課題を指摘しています。
16日は3つの会派による代表質問が行われました。自民党の中村康司県議は県民投票について「多様な意見を反映できない」としたうえで、再稼働問題への対応を花角知事に問いました。
〈花角知事〉
「県議会はもとより、市町村長との意見交換や公聴会などを通して県民の多様な意見を聞き、県民の意思がどう固まるのか見極めてまいります。そのうえでリーダーとして判断し、結論を出して、その結論について県民の意思を確認することを考えております」
これまでも「県民の意思を確認する」と繰り返してきた花角知事。しかし、その手段について明言していません。
この点について野党系会派・未来にいがたの樋口秀敏県議は…
〈未来にいがた 樋口秀敏県議〉
「県民投票は知事が再稼働の是非を判断するための材料として県民の意見を聞く有効な方法だと私は考えておりますが、知事の所見をお伺いいたします」
〈花角知事〉
「様々な場で県民の多様な意見を 聞くこととしており、その方法として本条例案に基づく県民投票については「賛成」または「反対」の二者択一の選択肢では県民の多様な意見を把握できない課題があると考えております」
再稼働の是非をめぐる県民投票の条例案は2013年にも県議会で審議されましたが、反対多数で否決されています。
14万筆以上の署名を集めた市民団体の請求。「二者択一では多様な意見を把握できない」とする花角知事。県議会がどう判断するのか、注目されます。
〈県民投票で決める会 世話人 水内基成さん〉
「いつどういう形で県民の信を問うやり方を知事自身がお考えなのか、全く明らかにならなかったことについて大変不満に思います。14万3196筆、さらにそれ以上の県民の皆さんが県民投票の実施を求めているのは確実だと思っていますので、それに答えるような回答をこの議会の期間中に出していただきたい」
臨時会は17日は一般質問が行われ、18日に採決が行われます。