“地域と歩むパン屋さん”。今回は昔ながらの製法で手間ひまかけて作るパンのお店です。シンプルな素材から味を引き出したハード系のパンです。
新潟市西区角田山の麓。
佐潟のそばに店を構える『薪窯パン舎ほほ』。
素敵なロケーションです。
店主・佐護裕太郎さん
「風景が自分が修業させてもらってた北海道の風景にちょっと似ていて、気持ちよくパンを焼かせてもらっています。新潟県の田んぼの美しい風景の『穂』と、修業した北海道の雄大な小麦畑の『穂』という2つの『穂』をかけて『ほほ』としました。おいしいパンでほっぺたが落ちるみたいなイメージで“ほほえんで”もらいたいと思います」
「ほほ」で使う小麦は新潟県産をはじめ、すべて国産。
さらに実際に生産地を訪れて生育を確認し、それをお店で全粒粉に挽いて使っています。
パン生地作りもヨーロッパの伝統的な手ごねで続けられています。
そうすることでその季節、その日の仕上がりを五感を使って確かめることができるそうです。
そして、こちらの薪窯。
佐護店主の手作りなのだそうです。
店主・佐護裕太郎さん
「薪窯特有の高温が出せたり、サウナと同じで遠赤外線効果でパンの中心から火が通るので、一般的な釜に比べると短時間でパンが焼けるというのがメリットと思います。水分が中に閉じ込められて結構もちもちした食感。皮はパリっとして、薪窯特有のパンになると思います」
「ほほ」のパン。
まず、ご紹介したいのがお店を代表する、こちらの大きなカンパーニュ。
使っている素材は?
店主・佐護裕太郎さん
「小麦と塩と水だけです。北海道の宗谷岬の塩と北海道産の有機小麦の「キタノカオリ」を使っています」
口に運ん、まず感じるのが、しっかりとした塩味そして酸味。
かみしめると奥から小麦の甘みが膨らんできます。
動物系の油とよく合うので、バターやチーズ、ハムなどと一緒に食べるのがおすすめだそうです。
昔のヨーロッパの人はこういうパンを食べていたんだなと感じるおいしさです。
続いては、食パン。
こちらには阿賀野市産の小麦がメインに使われています。
小麦の皮も一緒にお店で挽いたフレッシュな全粒粉で風味や味わいを最大限に生かしている一品です。
店主・佐護裕太郎さん
「なるべく農家さんの大切に育てられた小麦を余すことなく使いたいので、基本的にお店のパンは茶色い全粒粉のパンです」
他にも生地にバナナをたっぷり練り込んだ、すっきり優しい甘さのバナナブレッドもオープン当初からの人気商品です。
店主・佐護裕太郎さん
「農家さんの畑を見させてもらうところから自分で挽いて、こねて、焼くというところを一貫させたい。シンプルにおいしいなと思ってもらえれば、薪窯のパンを欲しいなと思ってもらえればそれで十分うれしいです」
2025年4月10日「夕方ワイド新潟一番」放送より