休憩後・・・
台本読みを2回行って
初回の稽古は終了となった。
台本読みの最中・・
劇中の8割くらいは僕のシーンになるので
ほぼほぼ僕がセリフを話し続ける感じだったが
読んでいる途中で、
セリフがたどたどしくなったり、噛んでしまうたびに・・
強爺の強烈な睨みが、僕の心臓を貫いた。
スラっとした男性
「みなさん、お疲れ様でした。では、次回も今日と同じ、この稽古場に集合でお願いします」
強爺
「くれぐれも、開始時間に”遅れない”ように」
カサハラ
「(うっ・・・)」
いやいや、僕は遅刻したくてしたんじゃ・・・
と、その時
「お〜!まだやってたかい?」
稽古場の扉から”団長”が現れた。
小柄な女性
「あ、ちょうど今終わったところです」
団長
「そっか〜少し様子を見たくて来たんだけど、間に合わなかったかぁ〜」
カサハラ
「団長さん!お疲れ様です!」
団長
「おお、カサハラくん〜」
カサハラ
「あのう・・・今日、稽古前にオーディションがあって、稽古開始時間に遅れるという連絡、うちの事務所の社長から団長さんに行ってなかったですかね・・?」
団長
「え?・・・あぁ〜!そうだった!ごめんごめん、カサハラくんが遅れること、みんなに伝えるの忘れてた〜」
カサハラ
「えぇ!?」
スラっとした男性
「団長、大事なことですので、忘れないでくださいよ」
団長
「ごめんごめん〜!次から気をつけるね」
スラっとした男性
「カサハラくん、もし何か事務所の仕事やオーディションが入って稽古に遅れることになる場合は、僕に直接連絡してください」
カサハラ
「あ、はい!」
団長
「その方が、安心だね〜」
スラっとした男性
「まったく・・・」