ありがとう、マーシー。
マーシーが
必要以上にハッキリと言ってくれたおかげで
僕も決心がつきました。
心を完全に打ち砕かれながらも、
僕はマーシーと一緒に教務課に向かった。
すると、そこにちょうど
“ガタイのいい人(教務課の人)”がいた。
マーシー
「すみません、今から“俳優・タレントコース”に変更したいんですけど」
僕
「僕もお願いします」
ガタイ
「え?2人ともコース変えたいの!?」
マーシー・僕
「はい」
ガタイ
「いやぁ、今からコースの変更と言うのは・・」
話を聞くと、
途中からコースの変更は、
基本的には難しいとのことだった。
それもそうである。
100社以上の芸能事務所の方々が一堂に会する
“勝負のオーディション”に向けて
各コースごとに、
しっかりカリキュラムを組んでいるのに・・
レッスンがスタートしてからすでに半年近くも経った今更、
コースを変えたところで、
俳優・タレントコースの“勝負のオーディション”に向けて
他のメンバーより完全に出遅れてしまっている僕らは・・・
間違いなく不利な状況になってしまうのだ。
ガタイ
「だから、君たちはこのまま“音楽コース”でスキルを身につけた方が、
きっと最後のオーディションでもいい結果が望めるはずだよ」
僕
「確かに・・・」
僕の決心は揺らいでいた。
やはり、このまま“音楽コース”を続けた方が
いい結果が望めるかもしれない・・
今は下手クソかもしれないけど、
まだ勝負のオーディションまで半年以上あるのだから・・
ここから必ず、這い上がってみせる!
それに、今更
“俳優・タレントコース”に移動したところで
演技未経験の僕が
“勝負のオーディション”までに
どうにかなる可能性の方が低いはずだ。
マーシーには悪いけど・・
やっぱり僕は“音楽コース”で勝負したい!
が、しかし
マーシー
「そしたら、とりあえず“音楽コース”のままレッスン受けるんで、最後の“勝負のオーディション”だけ、“俳優・タレントコース”の方で受けさせてくれませんか?」
僕
「え?」
ガタイ
「いやいや、さすがに演技未経験でオーディション受けたところで、
いい結果は出ないと思うけど・・・汗」
マーシー
「大丈夫です。俺、昔、子役でやってたんで、演技は自信あります」
・・・・
え、何それ!?初耳だけど!?
しかも話を聞いてみると・・
マーシーは子役時代に
“誰もが知るような自動車のCM”
にも、出演していたとのこと。
それを聞いたガタイのいい人は
ガタイ
「え?あのCMの子役、君だったの!?もちろん見たことあるよ!!」
と、大興奮。
マーシー
「ナチュラルな演技が高評価でした。」
ガタイ
「そうそう!あの自然体な感じがね!」
なんか凄い盛り上がってる・・
ちなみに僕はそのCMを見たことがなく、
話題にも“上手く“入れなかった。
マーシー
「ってことで、勝負のオーディションだけ
“俳優タレントコース”で出ても問題ないですよね?」
ガタイ
「そうだね!君なら大丈夫そうだね!」
マーシー
「ありがとうございます。」