【平野歩夢からのメッセージ①】未来の“オリンピアン”候補へ 日々の積み重ねが大きな夢へ…幼少期とイマを語る
スノーボードとスケートボードの二競技でオリンピックに出場した、新潟県村上市出身・平野歩夢選手。8月、東京で開かれたスケートボードのイベントに参加しました。子どもたちからの質問に対し、平野選手から語られたのは、スポーツをしている人、目標に向け頑張っている人の背中を押してくれるようなエピソードやメッセージ。本記事でたっぷりお見せします。
スケートボードのイベントに平野歩夢選手が登場!
8月21日㈭。
東京のビル街に用意されたスケートボードの特設会場。
そこに登場したのは、村上市出身の平野歩夢選手です。
兄・英樹選手、弟の海祝選手とともに息の合った滑りを披露した後、小学生スケートボード体験教室では、子どもたちの手を引くなどして滑る楽しさを教えた平野選手。
この日行われたトークセッションで、幼少期の思い出や、自身がオリンピックを意識し始めた時のこと、競技への向き合い方を語る中、ストイックな平野選手から意外な言葉も!
そして世界が注目する今後の「夢」についても教えてくれました。
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【平野歩夢】
新潟県村上市出身。
2014年のソチ、2018年の平昌オリンピックのスノーボード男子ハーフパイプで銀メダルを獲得。
2021年には東京オリンピックにスケートボードの日本代表としても出場。
さらにその半年後、弟・海祝選手とともに出場した冬の北京オリンピックで悲願の金メダルを獲得する“二刀流”の活躍を見せた。
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――子どもたちと一緒に、という中で何か感じることはありますか?
なかなかこうやって、話したり、実際に近くでスケートボードに乗ったりスノーボードをやったり…を一緒になってやる機会って、今までも多かったわけじゃない。
自分も、これまでやってきたキャリアを通して、少しでも、みんなの夢とか希望に、力になれることが一つでもあればなと思って、ありがたく参加させてもらっているところはあるので、本当に毎回いろんなことを、この経験を通して学ばせてもらっている…というのはありますね。
――この年齢の頃(子ども時代)どんなチャレンジをしていましたか?
僕がみんなの年くらいの時はひたすら、ただ(練習を)やることしか考えられなかったので、あんまり考えてもいなかったですね。
同じことをやり続けることしか分からなかったし…そうやって上達することに、そして自分の“少し上手になった瞬間”を地道に積んできていたなって。すごいシンプルなんですけど。
そういう事をただひたすら繰り返して、自分の中でやり続けてたなって思います。
「ただ、やる。」突き進んできた幼少期
――チャレンジして好きになるのか、好きだからチャレンジするのか。どちらだと思いますか?
僕の場合は、根本的にはスケートボードとスノーボードのことしか正直わからないところもあったし、だからこそ一生懸命になれたのかな。
とにかく自分が成長することだけをシンプルに考えて、少年期のときはそれを積み重ねてやってきた。
大人になるにつれて色々考えることも増えてきて、今は自分なりにスノーボード以外のこともチャレンジしながら、人として成長できるようなことを目指して生きているような感じです。
小さい頃は、ただただやることしか分からなくて、考えてもなかったと思うんで…結構、感覚重視のところは強かったと思いますね。
平野選手の軸は、強い「ハングリー精神」
自分も年々、歳を重ねていくにつれて、やっぱり子供の時の感覚っていうのはどんどん離れてくるところもあって、どんどん大人に…考え方だったり身体だったり、今まで通りにいかないことがたくさんある。
でも、いつまで自分が競技を続けてられるかっていうのも、本当、「今しかないな」って改めて思って。
競技人生を送れるうちは、ある程度、小さい時の自分を思い出すじゃないですけど、子どものような気持ちを持っていないと、チャレンジできないところもあったり。
そういう気持ちって、やっぱり今でも大事にしてる部分だったりしますね。
それと“大人にならなきゃないけない境目”っていうところ、その(子どもの時の気持ちと大人にならなきゃいけない)中間を、常に自分の中で保つことをすごく大事にしていたり。
でもやっぱり、ハングリー精神は子どもの時の気持ち…今でもいつでも思い出せるような形っていうのは、もう競技人生も残りわずかだってことを考えると、ずっと持ち続けたいなって。
競技を終えても、そういう気持ちのまま、これからも成長し続けられればな、っていう気持ちはどっかにありますね。
半年後の「ミラノオリンピック」に向けて
――「競技会に向けての準備・挑戦」と、「日々の小さな挑戦」とは、どのように分けて過ごしている?
今は、あと半年後にオリンピック(ミラノ・コルティナ)があって、そこに向けて「前回より成長できたな」って思えるような姿を自分自身が感じられることが一番の目的で。
それに向けて、何が必要なのか、どうしないといけないのか…というところを突き詰めて、日々生活している段階。
前から、先に向けての大きな目標と、それに向けて「今じゃあ何が必要なのか」ってことは、いつどんなときでも自分の中では忘れないように考えているので…そうですね。
そこは今まで大事にしていた部分かなと自分なりには思います。
ストイックな平野選手も…
――人間なので「ちょっとしんどいな、続かないな」ってことはあると思うんですけど、心の中に「強い 自分」がいるんですか?
毎日が練習!の繰り返しだと、本当に…
自分もこれだけの年月重ねてやってくると、「楽しい」とか「やりたい」っていう気持ちよりも、最初は「やりたくないな」って気持ちからだいたい毎日がスタートすることが多いんですよ(笑)
こういう(やりたくないな、と思う)自分と、やらなきゃならない自分、2つが自分の中にはいて、それに甘えて「きょうはいっか」って休んだりする日はやっぱりどっか罪悪感が残って…
その日は気持ちよく一日終われないというか、そういう職業病みたいなものに駆られているところはあるんですけど。
でも、常にそういう自分と戦って「今」があるんだなっていう事にも改めて気づかされる時もあるし、ずっとそんな感じでいたいなとも思います。
「回転中」は“無の境地”
(子どもたちから)
――ハーフパイプでクルクル回っているときは何を考えている?
回っている時は何も考えてないですね、シンプルに。
考えられる余裕も正直あまりなくて…どちらかというと、「飛ぶ前」に考えていることはあるんですけど、飛んでいる時は“無の境地”というか(笑)
とても考えられるような余裕もないところもあって。
とにかく視界に映るものだけを目の前で感じている、という状況ですね。
音楽とか聞くんですけど、聴いていても何も聞こえていなかったり、それぐらい何か目の前のことにすごい自分が集中しているんだな、ということに時々気づかされるということで…何も考えられませんね、自分は(笑)
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