稽古場の機材などを
みんなですべて片付けたあと・・・
僕は早速、
スラっとした男性と連絡先を交換した。
すると・・
スラっとした男性
「稽古初日はどうでした?」
カサハラ
「そうですね、覚えることが膨大すぎて・・・これから不安しかありません・・・」
スラっとした男性
「まぁ、そうだよね。特に主役は、この作品を”引っ張っていく立場”だから、さらに頑張らないといけないね」
カサハラ
「ひ、引っ張っていく立場・・・」
全身がゾワゾワと震え上がった。
カサハラ
「そっか・・・主役って、そういうことなんですね・・」
スラっとした男性
「そうだよ。主役次第で、作品の質も変わる、そして、色も変わる。同じ台本であっても、演じる役者が変われば、すべてが変わるんだよ」
カサハラ
「これは・・責任重大ですね」
スラっとした男性
「カサハラくんの頑張り次第で、いい作品になるかもしれないし、そうならないかもしれない」
カサハラ
「なるほど・・・なら、どうして、僕が・・」
スラっとした男性
「え?」
カサハラ
「どうして僕がこの作品の主役になったんでしょうか・・・?」
スラっとした男性
「そうだね、じゃあ逆に、カサハラくんはなぜだと思う?」
カサハラ
「え・・?」