『今日から、君の職業は、正式に”役者”だよ』
そう言われた、あの日から・・・
あの”只者ではない演出家”は、
カサハラ青年にとって”社長”となった。
そう、ついにカサハラ青年は念願の
”芸能事務所”に所属することが出来たのだ。
その後、
”プロフィール用”の写真を撮影し、
事務所からも色々な
オーディションにプロフィールを送ってもらい、
”人生初めての撮影”も無事に終了。
そして、幼馴染の役者
”タカモン”からも素晴らしい刺激を受けることができた。
するとそんなさなか・・
事務所の社長から役者としての幅を広げるよう、
”リアル演技”と対極にある”究極の表現演技”を身に着けるため、
日本中の小学校を旅回りする劇団の
オーディションに挑戦し、
見事に?主役の座を勝ち取ったのだった。
スラ男
『”ゆっくりしゃべる”だけが正解ではないはずだよ。うちの旅劇団に1年間”所属する理由”があるかと思います。それを、もう一度思い出してみたら良いかもしれません』
そうか、そういうことか・・・・
ゆっくりしゃべてるだけで・・
まったく”表現できていない”んだ
でも、表現とは・・・
一体、何なのだろう。
これまで僕は、
事務所の社長の元で・・
”表現”とは対極にある
”リアル”な演技について学んできた。
それは、”演じる”ということを
意識することすらも禁止される・・
考えれば考えるほど
沼にハマっていくようなもの。
台本はあれど、
その世界観の中で・・
どれだけ、自然に生きることができるか。
どれだけ、普段の生活の一部になることができるか。
いや、社長の求める”リアル演技”では
こんな思考すらも、きっと省かなければならない。
もう、究極の中の、究極なのだ。
『演技の幅を広げるために』
『”リアル演技”の対極にある”表現演技”を学んできなさい』
そう、社長から言われ・・
この旅劇団で1年間
”役者修行”する覚悟で臨んだけれど・・・
僕が考えていた以上に・・・
”表現演技”というものは、沼が深かったのだ。