ジャンケンに勝った方が先に、
“相手の演技”をする。
『舞台の本番直前に、舞台袖で待機している様子』という
同一テーマではあったが、それぞれ披露する演技は・・
まさに三者三様だった。
「同じ設定なのに、演じるキャラクターが違うとこんなにもバリエーション豊かになるものなのか・・・なんて、面白いんだ・・!!」
僕は、食い入るように見入ってしまった。
いやいやいや、待て!!!
感心している場合じゃない!
今は、何とか必勝法を成立させる方法と、
評価アップのためのポイントを見つけなければ・・
僕は演技者の様子や、
それをじっと見ている演出家・・
さらにはストレッチレディの様子まで
じっと観察した。
そして、およそ10分後・・
“先攻の演技”が終了した。
演出家
「はい、じゃあ、見ててもらったペアの相手に
演技の評価をしてもらいましょう。じゃあ、まずは端の君から」
「は、はい!えーっと・・」
演出家に指名されて
“自分の演技”をしたペアの相手への
評価を順番に発表していく。
そして・・
その3人はみな一様に、
「高評価」を与えていた。
「凄いな・・あの20分間のコミュニケーションだけで、
ちゃんと相手の癖や特徴を捉えることができているのか・・」
「やっぱり百戦錬磨のみなさんは、見ている部分が違うんだろうな・・・・」
こんな状況でも、
僕は改めて感心してしまった。