「運命の3日間」・・最終日。
この日もカサハラ青年は苦戦をしいられてた。
いろいろなことを想定して満を持して挑んだ
「調べてきたこと」の発表では、
指名されずに終わるというまさかの結果になり・・・
あわよくば行われないことを望んでいた
「相手の演技をする」という審査は、
通常通り開催されるという・・・
まさに空回り状態。
しかし・・・
追い込まれると思考回路が
フル回転するカサハラ青年は、
「返報性の原理」を用いた人間心理を使えば、
何とか逆転の目が現れるのではないか・・!
と思い付き、
ペアになった”ヒノ君”に対して・・
ナチュラルに共謀を仕掛けることにしたのだった・・
「『舞台の本番直前に、舞台袖で待機している様子』
という設定で、ペアの相手の演技をしてください。」
そう言うと、
演出家はランダムに3組を指名し・・
僕とヒノ君のペアは、
この時はまだ指名されなかった。
「よし、これで、前のグループの様子を確認することが出来る。
きっとこれも有利に進むはずだ・・」
審査直前に考えた「返報性の原則」による必勝法に加えて、
少しでも評価につながるポイントを見つけようと、
僕は、じっとその様子を見つめることにした。
すると・・
演出家
「まずは、演技をする順番をじゃんけんで決めてください。
勝った方が先攻でペアの相手の演技をしてもらいます。」
「な、なんやて!?」
これはマズイ。
僕の考えた必勝法は
“先攻がヒノ君”
“後攻が僕”
で、初めて成立するもの。
これが逆になってしまったら・・・
その時点で、試合終了。
しかし、
ジャンケンなんて時の運だし・・
裏で操作できるようなものではない。
ど、どうしよう・・・
そんな中、
最初のグループの演技審査がスタートした。