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役者としてOK



“冒頭のト書き”のシーンが終わると、
昨日と同じように一旦、休憩時間になった。


昨日の稽古では、休憩のたびに
演出家はスタジオの外へ出ていったが・・・



演出家は、
稽古場の椅子に座ったままだった。


カサハラ
どうしたんだろう・・?
演出家がいるままじゃ、気が休まらないな・・・




すると、


演出家が口を開いた。




演出家
今のシーンは、なかなか面白かったよ。




カサハラ
「・・・え?」



演出家
稽古と言うのは回数をこなしていくと、みんなだんだん慣れてくものです。それは、良い意味でも、悪い意味でも、です。



カサハラ
「ほ、ほう・・・」



演出家
しかし、今、オーディション組に代役で入ってもらったことで、また新しい面白さが見えてきた気がしました。本役のみんなも、何か新しい発見があったんじゃないかな?



すると・・


2.5次元俳優
そうですね、昨日までは少し煮詰まっていた感じもあったので、新鮮な気持ちでやれましたね



カサハラ
「な、なるほど・・・」


舞台稽古とは、そういうものなのか。



“代役”とは、
作品のクオリティを上げるための


大切な役割なのだな・・・



僕は、初めての稽古参加で
とても大切なことを早速教えてもらえた気がした。



2.5次元俳優
でも、君・・



主演の2.5次元俳優が、僕の方に目を向ける。



カサハラ
「・・・え!?」



2.5次元俳優
明かりが点いた後の、“ここは一体”って、俺のセリフだからな



・・・・あっ!!



「す、すみません・・!!なんというか、咄嗟に出てしまって・・」





2.5次元俳優
・・・フフフ。大丈夫、それなら役者としてOKだよ。君、面白いな。





「役者として、OK・・?
あ、ありがとうございます・・!」





そう言って、僕に笑いかけてくれた。



あれ・・?


この笑い声・・・



さっき稽古中に、
聞こえてきた笑い声だ






つづく・・・

P.S.

いやぁ~、この役者人生で初めての稽古というモノも、はっきりと覚えておりますな(笑)

本当に、すべてが未知の連続過ぎて、夢と現実の狭間と言うか、終始フワフワした気持ちのまま、それでいて何とか精一杯食らいついていかないと、という気持ちだけでした。あんな緊張感と言うかプレッシャーを感じたのは、これまでの人生の中でも片手で数えるくらいしかないと思いますね・・(汗)


次回!!

”代役”として、役者人生で初めての稽古を経験したカサハラ青年。演出家や2.5次元俳優のありがたい言葉に嬉しさを覚えるも、まだ代役を務めたのは”冒頭のト書き”の、セリフのないシーンだけ・・・次のシーンからは”セリフあり”の代役を務めなければいけないことに気が付き、さらなるプレッシャーが襲い掛かってくるのであった・・・


お楽しみに~!

カサハラケント


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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。

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