遂に、役者人生初めての
”稽古”に参加するカサハラ青年。
振り分けられた配役が”遺族C”という
アンサンブル(エキストラ的な感じ)だったため
「セリフもないし、稽古もそこまで大変じゃないだろう」
などという軽い気持ちでいたのだが、
急遽”容疑者役”の代役として
稽古にガッツリ参加することに・・・
人生初めての舞台稽古で、
メインの容疑者8人の代役という・・・
これまでかつてないほどの
急展開と極限プレッシャーの中ではあったが、
なんとか、なんとか、
やり過ごすことができたカサハラ青年。
そして紆余曲折しながらも・・
稽古参加3日目にして、
ついに”本役”である
「遺族たちのシーン」の
稽古を迎えることとなった・・
初めての本役の
稽古でつかんだ感触。
それを忘れないように・・
その感触をふたたび
再現できるように・・・
いや
それはきっと違う。
再現しようとしてしまった時点で
おそらく”神谷椎太郎”ではなくなってしまう。
いかに“神谷椎太郎”として
違和感なく存在することができるか。
そのためには、
しっかりと台本を読み込んで
そして
他の“遺族たち”との関係性も
どんどん深めていくしかない。
演技と言うモノは
本当に難しい・・
でも
この世界で一生
やっていきたいと覚悟したのだ。
そう簡単に
出来てしまっては・・
面白くないものだ。
こうやって、
毎日、いや、毎時毎分
考え続けることができる
悩み続けることができる
そんなモノに
出会えたことは・・
本当に幸せなのかもしれない。