旅劇団での1年間の役者修行を終えて、
東京に帰ってきたカサハラ青年。
”究極の表現演技”を身につけることで、
社長の求める”究極のリアル演技”に近づくことができる・・はず。
そう信じていたカサハラ青年だったが・・
彼を待ち受けていたのは、
予想だにしない”笑撃”の展開。
コメディ舞台への挑戦だった・・・
「(今回の作品て、”コメディ舞台”だよね?つまり、”お笑い”だよね?・・・それなのに、稽古場がこんなにどんよりしてるのは、おかしいよね?・・・はっ!!)」
そして、僕は気づいた。
「(もしかして僕の立場って・・・求められてることって・・・そういうことだったのか!?)」
・・・・
UPさん
「では、次に、お化けハンターのシーンいきます〜!」
カサハラ
「は、はい・・!!」
トネガワさん
「じゃあ、袖から登場するところからやるね〜。では・・・どうぞ〜!」
カサハラ
「(よ、よし・・やってみるぞ・・・!!)」
そして・・・
僕は意を決して、登場した。
・
・
・
数分後。
お化けハンター登場シーンが終了。
もう必死だった。
無我夢中だった。
『”お化けハンター”というキャラクターの、この作品における立ち位置』
『ケントの立ち位置』
それを自分なりに考えて
稽古で咄嗟にやってみて。
その結果、稽古場は・・・
”笑いの渦”に
巻き込まれたのだ。
UPさん
「トネガワさん、あれが、3日間考えてきたケントの答えのようです。笑」
トネガワさん
「うん、まぁ、良いんじゃない?笑」
カサハラ
「・・・あ、ありがとうございます・・!!」