UPさんと反対方向の
電車に乗って別れたあと・・・
僕は案の定頭を抱えることとなった。
『このコメディ舞台が成功するかは・・・ケントにかかってるからね♡』
UPさんから放たれた一矢の言葉が
脳に突き刺さったまま外れる様子はない。
カサハラ
「僕にかかってるってどういうこと・・?コメディ舞台初挑戦の僕には、荷が重過ぎやしないか・・!?」
とりあえずこの日僕は、
”熱海に逃げたい”思いをグッと堪えて・・・
3日後に迫った
”稽古初日”に向けて
配役されたキャラクターと
じっくりと向き合うことにした。
ちなみに
僕に配役されたキャラクターは・・・
”お化けハンター”
文字通り
”お化けを狩る人”
という設定。
もう、これだけで面白い。
ただ・・
その”お化けハンター”
というのは一見
”突拍子もないキャラクター”
かと思われるが、
台本をどんどん読み込んでみると・・・
”お化けハンター”自身が話している内容も、
その人間性も、ちゃんと筋の通っている
どこにでもいそうな
ちゃんとした人間なのだ。
カサハラ
「なんか、読めば読むほど、この”お化けハンター”って役は・・・”普通の人間”なのかもしれない・・」
きっとそうだ。
これはいわゆる
”シュール”
というやつなのだ。
突拍子もないキャラクターが
至って”普通”に立ち振る舞うことで生まれる
”ギャップ”
それこそが・・・
この”お化けハンター”という
キャラクターの立ち位置なのだ。