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ドサ健のツバメ返し


まさに一瞬のチャンスだった。


3人が目線を
“僕の目”に向けた瞬間のこと。




そう、それはまさに


伝説の麻雀漫画
「哲也 ―雀聖と呼ばれた男―」にて


「ノガミのドサ健」が、
哲也たちが雀卓から目を切った瞬間に


「ツバメ返し」を成功させた
あの名シーンのそれだった。






”仕掛け”が成功してからは
もう僕の独壇場だった。



何度も山の一番上に
“瞬間移動”するトランプを前に



審査員の3人

そして、

会場で待機している
オーディションメンバーも


驚きを隠せない様子だった。





「マジックは以上です!ありがとうございました!」




演出家
なるほどね。君、印象いいね。





「あ、ありがとうございます!」






なんとか・・

なんとか印象に残った・・





それもこれも
偶然リュックに“トランプ”が入っていたから。


いや、偶然ではないのかもしれない。




“何も残らなかった”

と思っていた大学での4年間。


正当なものではないかもしれないけど、

ちゃんと“意味のあるもの”を残せていたかもしれない。



そう思えた。






でも、この特技披露だけで
“2次審査”を通過できると決まったわけではない。



このあとに控える“演技審査”こそが、
もっとも重要なのだ。




やらぬ後悔よりも
やって後悔した方が良い。





まだ見ぬ
“演技という世界”に



裸単騎で挑むことを
僕は、固く決意したのだ。




つづく・・・




P.S.

いやぁ~書いてて、当時のあの”瞬間”を思い出すと、いまだに手汗がにじんできます(笑)
ちなみに余談ですが、あの日リュックに入っていたトランプ・・・・この間、クイズ大会の当選者発表で使った「トランプ」なんです(笑)
さすがに今はリュックに入れてないですけど、大切に保管しています^^


次回!

”逆転の一手”の勝負に見事成功したカサハラ青年。2次審査も残すは「演技審査」のみ。前の組の様子を見れていたおかげでどんな演技をさせられるのか前もって知ることができたカサハラ青年であったが、まさかの展開がまっていた・・・


お楽しみに~!


カサハラケント


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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。