電車の扉が開くと僕は、
骨折明けの左足首を一切労わることなく走り出した。
新発田駅で降りる
乗客たちの数は予想以上に多く・・
その間をサササとすり抜けながら
改札を出て駅前のロータリー横をかけていく。
この時、すでに時刻は【18:10】。
オダニさんから告げられた
約束の時間まで、あと5分。
新発田駅からラジオブースのある
市役所までは徒歩にしておよそ13分。
最後の手段で、”タクシーを使う”
という選択肢も残したかったが・・
タクシー乗り場はすでに列を成している。
カサハラ
「(もう・・走る他ない・・・)」
僕は、スマホ片手に時間を気にしながら
商店街を走り抜けた。
約束の時間が迫る。
異変を感じたオダニさんから
電話がかかってくるかもしれない。
そうなったら、安全策をとり急遽
”電話出演”に切り替わる可能性だってある。
ここまで来てだ・・・
”新発田に居る”のにだ。
そんな失態は・・
絶対に犯してはならない。
僕は必死に走り続けた。
そして・・・
【18:20】、ラジオブースに到着。
約束の時間に、5分遅れてしまった。
ガラス張りのラジオブースの中では
オダニさん、そして、相方の秋山さんが軽快なトークを繰り広げていた。
カサハラ
「(だ、大丈夫だよな・・?)」
僕は息を整えながら
ガラスの向こうにいるオダニさんに視線を送り、頭を下げた。
すると・・・
オダニさんは僕に気づき、
笑顔で会釈してくれた。
そして
CMに入るタイミングで
ブースの扉を開けて僕を中に入れてくれた。
カサハラ
「すみません!遅くなりました!!」
オダニさん
「え?全然、大丈夫ですよ〜!遠路お越しいただき、ありがとうございます!」
・・・な、なんとか大丈夫?のようだった。
MCのお2人と簡単にご挨拶を交わして
CM明けから早速、僕の出番とのこと。
手短に流れを確認していただき
CMが終了すると・・
オダニさん
「では、ここからはゲストにお越しいただきました〜!カサハラさん、よろしくお願いいたします〜!」
カサハラ
「よろしくお願いいたします〜!」
・
・
・
・
という感じで
生放送もなんとか無事に終了。
バタバタ続きの
新潟帰省1日目となったのだ。