『今日から、君の職業は、正式に”役者”だよ』
そう言われた、あの日から・・・
あの”只者ではない演出家”は、
カサハラ青年にとって”社長”となった。
そう、ついにカサハラ青年は念願の
”芸能事務所”に所属することが出来たのだ。
その後、
”プロフィール用”の写真を撮影し、
事務所からも色々な
オーディションにプロフィールを送ってもらい、
”人生初めての撮影”も無事に終了。
そして、幼馴染の役者
”タカモン”からも素晴らしい刺激を受けることができた。
するとそんなさなか・・
事務所の社長から役者としての幅を広げるよう、
”リアル演技”と対極にある”究極の表現演技”を身に着けるため、
日本中の小学校を旅回りする劇団へ
入ることを勧められ
苦手な”歌唱・ダンス”審査に
挑戦するのだった・・・
「(も、もう、どうしたらいいか分からない・・・)」
社長のもとで学び続けている
”究極のリアル演技”
そして、
その真反対に位置する
”究極の表現演技”
その両方を身に着けることが出来れば、
役者として更に上のステージに上がりことが出来るはず。
そう胸を高鳴らせて、
劇団オーディションに挑戦し続けたものの・・
”究極の表現演技”を学ぶ機会すら
手に入れることのできない状況に・・
僕は焦りを隠せずにいた。
しかし、そんな時・・
次に事務所から送られてきた
劇団オーディションのメールの詳細には・・・
”予想外の審査内容”が記載されていた。
それは・・・
===========
審査内容 : 演技
===========
「(え?これって、選考は・・・演技審査のみってこと・・!?)」
いつも事務所から送られてくる
オーディション詳細には必ず・・・
”歌唱・ダンス審査”
と記載されていた。
しかし
今回のメールの中に記載されていたのは
”演技”というワードのみ。
「こ、これは・・もしかしたら、イケるかもしれない!!」